広島アンデルセンは、余ったパンを活用した新たな取り組みとして、クラフトビール「Hiroshima Bread Beer“the Bread Ale”」を2025年7月1日に発売した。ベーカリーの看板商品「the Bread」を原料とし、HIROSHIMA NOH BREWERYとの共同開発によって実現したこのビールは、食卓におけるパンとビールの新たな関係性を提示するとともに、持続可能な食の循環を目指す取り組みとして注目を集めている。

パンの余りを再生する循環型食文化。原点は「おいしさを循環させる」想い。
パンは古来から「液体のパン」とも呼ばれ、ビールと深い関係を持つ食品だ。広島アンデルセンはこうした文化的背景と、自社の看板商品である「the Bread」の魅力を掛け合わせ、余ったパンを活用するクラフトビールの開発に乗り出した。
パンの廃棄を抑え、おいしさの価値を次の食卓へとつなげる。そんな想いを出発点に、開発のパートナーとして選ばれたのが、広島県三次市にある醸造農家「HIROSHIMA NOH BREWERY」だ。農業とクラフトビール醸造を両立する彼らは、素材に寄り添った自由な発想と丁寧なものづくりによって、新しいクラフトビールのかたちを形にしてきた。
開発に要した期間は約1年。完成した「the Bread Ale」は、パン由来の小麦の風味と麦芽・ホップの香りが調和した、すっきりとした飲み口のエールビールに仕上がった。夏には自家製ホップ、秋には収穫したての大麦を使うなど、季節の移ろいに応じて味わいを変化させる点も、このビールの大きな魅力だ。

食卓とともにあるビールを、パンと料理の幸福なペアリング。
「Hiroshima Bread Beer“the Bread Ale”」は、料理との相性を徹底的に追求したことで、食卓の豊かさを引き出す存在になっている。特にデンマークの伝統料理「スメアブロ」や、魚料理、エビ・卵料理といった、シンプルながら素材の味が引き立つメニューと好相性を見せる。
またパンとの親和性が高いことから、朝食からディナーまで、幅広い食の場面に寄り添うビールとしても注目される。ネーミングの「the Bread」に象徴されるように、原材料や酵母にこだわるアンデルセンの哲学が、そのままビールづくりにも受け継がれている。
パンのある日常に、ビールという新たな選択肢を加えることで、広島アンデルセンは“食卓の楽しさ”を再定義しようとしている。単なる商品開発ではなく、廃棄を減らし、季節と土地に根ざした食文化を育むこの試みは、今後のフードロス対策や地域活性のモデルケースとなる可能性も秘めている。
商品発売に合わせて、広島アンデルセンでは2025年8月1日から3日までの3日間、「the Bread Ale」を楽しむ特別イベント「ビアパーク」をヒュッゲパークにて開催予定だ。デンマーク語で「人とのふれあいから生まれる居心地の良い時間」を意味する“ヒュッゲ”を体現するこの空間では、ビールとともにパン、料理、音楽、そして人とのつながりを味わうことができる。
「Hiroshima Bread Beer“the Bread Ale”」の価格は825円(税込)。広島アンデルセンの店頭およびオンラインショップ「アンデルセンネット」で購入可能だ。


