大林組は、2025年大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」で使用された設備機器や建材など約180点を、自社の技術研究所(東京都清瀬市)で建設中の実験棟「オープンラボ3」にリユースすると発表した。万博の理念を継承し、建設における廃棄物削減と資源の有効活用を推進。資源循環型社会の実現に向けた先進的な取り組みとなる。

万博閉幕後の「ごみ問題」への挑戦。

大阪・関西万博では、「持続可能な万博」の実現に向け、パビリオン解体に伴う廃棄物量の削減が大きなテーマとなっている。この方針に基づき、大林組とパナソニックHDは、パビリオンの設計段階から閉幕後のリユース・リサイクルを計画。今回、その具体的な取り組みとして、「ノモの国」で使用された照明器具や洗面器、ウッドデッキやタイルカーペットなど約30品目・180点が、大林組の新たな実験棟で第二の人生を歩むことになった。

照明器具
洗面器
タイルカーペット

CO2排出量を75%削減する「モーダルシフト」輸送。

資機材のリユースは、製造・廃棄時のCO2排出削減に貢献する一方、リユース先が遠い場合は輸送時のCO2排出が課題となる。今回の輸送では、大阪から東京までの長距離移動において、トラック輸送ではなく環境負荷の小さい鉄道輸送を中心とした「モーダルシフト」を導入。これにより、従来の輸送方法と比較してCO2排出量を約75%削減する見込み。

リユースを前提とした「サーキュラーコンストラクション」。

大林組の実験棟「オープンラボ3」は、建設業界における循環型システム「サーキュラーコンストラクション®」を実証する目的で建設されている。今回の万博からのリユースに加え、解体した建物の鉄骨やコンクリートを構造部材として再利用したり、建設現場の廃プラスチックを工事用フェンスに再生したりと、様々なサステナブル建築技術を導入。リユース建築の一連のプロセスに関する知見を蓄積し、脱炭素社会の実現を目指す。

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