株式会社森未来(拠点:東京都港区、代表:浅野純平、以下森未来)は、都市開発やインフラ整備に伴って伐採され、従来は産業廃棄物として処理されがちだった街路樹や伐採木を資源として再活用する新サービス「TREE BATON」を開始した。伐採段階から関与し、製材・乾燥・保管・設計連携・施工までを一貫管理。環境負荷の低減と、その土地の記憶を活かすサステナブルな空間づくりの両立を目指す。

伐採から納品までの一貫体制で、「木の記憶と個性」を建築へ継承。

近年、都市の樹木は景観や生態系を支える存在として再評価が進む一方、開発やインフラ整備の過程でやむなく伐採される木が少なくない。多くは価値を活かされないまま廃棄されてきた現状がある。

森未来(拠点:東京都港区、代表:浅野純平)が始動した「TREE BATON」は、このギャップに着目。「木の記憶と個性を次へ繋ぐ」をコンセプトに、伐採木の年輪やコブ、曲がり、空洞といった唯一性を見極め、建築・不動産プロジェクトの内装や什器、家具へと最適化していく。単なる再利用にとどまらず、伐採の設計意図から加工プロセス、デザイン連携までを包括する点が特長だ。

伐採木の活用には、伐採・製材・家具・内装など多様な事業者が関わるが、全体を統括するハブの不在がボトルネックだった。「TREE BATON」は、計画初期から関与し、敷地条件や開発コンセプト、求めるプロダクトの要件をヒアリングした上で、将来の用途を見据えた伐採設計を実施。以降は製材・乾燥・保管を一貫して管理し、設計者やデザイナーと密に連携してオーダーメイドの内装・什器・家具を製作、納品まで伴走する。こうしたプロジェクト設計により、素材ロスの削減と品質の安定化、そして「その土地ならでは」の物語性を両立させる。

今後は、都市開発に伴う伐採木に加え、鉄道や高速道路沿いで倒木リスクのある木、地域に根づく御神木など、やむを得ない伐採案件にも適用領域を広げる方針だ。一本一本の木に目を向け、可能な限り活かし切ることで、廃棄を減らし、街路樹や伐採木が循環する社会の実現を目指す。2016年の創業以来、森林・林業・木材領域のITビジネスやBtoB向け木材プラットフォーム「eTREE」を展開してきた同社の知見が、都市の資源循環を具体的な空間価値へと変換していくことが期待される。

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