無印良品を展開する株式会社良品計画(東京都文京区/代表取締役社長 清水 智)は、パームヤシの実を採取した後に捨てられてきた房(残渣)を材料の一部に用いた環境配慮型シリーズ「レンジで使える ヤシの端材を使った食器」を発売する。全10アイテムのうち6アイテムを9月17日(水)から、残る4アイテムを11月中旬から、全国の無印良品とネットストアで順次展開。軽量で割れにくく、日常からアウトドアまで幅広く使える新素材の食器だ。

未利用資源を日用品へ。パーム残渣×PPの新素材で、温室効果ガスやヘイズ抑制にも期待。

パーム油はお菓子、石けん、化粧品など生活に身近な製品に広く使われ、世界的な需要が伸びている。一方で、採油後に残るパームヤシの房(実が付いていた部分)は有効な活用先が限られ、畑で放置されて腐敗しメタンガス(温室効果ガス)を発生させたり、不適切な焼却により「ヘイズ」と呼ばれる広域的な煙害を引き起こすなど、環境・健康面での課題が指摘されてきた。

 左からパームヤシの木、パームヤシの実(オレンジ色の部分)、パームヤシの房(実を取った後)

良品計画の新シリーズは、こうした未利用資源に着目。パーム残渣を粉砕し、ポリプロピレン樹脂(PP)に混合することで、天然素材の風合いを備えながら、日常使いに求められる実用性を両立した新素材を開発した。残渣の活用により廃棄物の削減に寄与しつつ、素材レベルから循環を意識したものづくりを推進する取り組みだ。
製品は軽量で割れにくく、子どもから大人まで扱いやすいのが特長。仕切プレートやボウルといったアイテムは、家庭の食卓はもちろん、ピクニックやキャンプなどのアウトドアでも使いやすいサイズ感で設計されている。素朴でナチュラルな風合いは食事シーンになじみやすく、器そのものが料理の印象を柔らかく引き立てる。実用面では全商品が食器洗い機に対応し、仕切プレート・ボウル・カップは電子レンジも使用可能だ(600W以下・3分未満)。日常の使い勝手を損なわずに環境配慮を取り入れられる点が、シリーズの大きな魅力と言えるだろう。

良品計画は「感じ良い暮らしと社会」の実現を掲げ、生活の基本を支える衣食住の領域で天然素材の活用やサービスの拡充を継続している。今回の「ヤシの端材を使った食器」は、資源循環と日常の心地よさを両立する取り組みの一例として、未利用資源を価値ある日用品へと転換する新たな選択肢を提案する。今後も同社は、生活者と地球環境の双方に配慮した商品開発を進めていく方針だ。

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