マルイファシリティーズ
環境・フードコート事業本部
環境清掃営業部 環境清掃1課長渡辺由紀さん

ファッションのマルイがはじめたトイレのデジタル清掃

「トイレ清掃を効率化して作業時間を減らすことで、その他の場所の美観を向上できる。それはきっと社会貢献になるーー」。私たちマルイファシリティーズは、そんな思いでトイレのデジタル清掃をスタートしました。

多くの人が集う施設では、現場の清掃員は一日の大半をトイレ清掃に費やしているといっても過言ではありません。ロボット清掃も積極的に活用していますが、トイレはどうしても人の手が必要です。開店前のトイレ清掃、日中はトイレの巡回をしながら必要があれば清掃や備品補充。混雑中は待機したり他のフロアを回ってトイレ清掃を行ったり…。「あそこのトイレはよく使われるようだから、こまめな清掃が必要だ」といった熟練清掃員の方の勘が頼りだったり、「消耗品は残量が少なくなったら早めに補充・交換しよう」といった、一見理にかなっている反面エコからかけ離れた判断も多々あるのです。

そんな時に、テラモトさんのシステム「 T E R A S PLACE」と出合いました。センサーをトイレのドアに付けることでトイレの空き状況や使用頻度確認、消耗品の管理などを把握でき、メンテナンスのタイミングを見計らうことができます。これまでは1日に100 回使われているトイレも10 回しか使われていないトイレも仕様書に基づいて同様に清掃していましたが、このセンサーのおかげであらゆることが見える化され、清掃頻度を見直すきっかけになりました。

見える化したことによるもう一つのメリットは、清掃員の方々から活発にアイデアが出たことです。「データを見て、やっぱり!と思った」「実はこうした方がいいと思っていたけど、言い出せなかった」「こんな方法でやったら効率的じゃない?」など、これまでにないほど発言があって。これはうれしい誤算でしたね。 私たちも、清掃員の方も、「清掃から地球のためにできることはなんだろう」とよく話し合っています。現場から発信して一つ一つ解決していくと、必ず明るい未来につながると考えています。(渡辺由紀さん談)

トイレの利用状況をセンサーで可視化するテラモトの「TERASPLACE」。マルイファシリティーズはこのようなシステムも活用しながら、グループ会社であるマルイをはじめさまざまな施設で清掃業務を担当。2025年をめどにトイレのデジタル清掃を標準化させ、清掃 DXのプラットフォーム構築を目指している。
センサーである「TERASPLACE」は、約4cm×4cm×厚さ1cmと非常にコンパクト。取り付けても悪目立ちせず、違和感のないことが最大の強み。
「すべての人がしあわせを感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創る」というミッションのもと、小売×フィンテック×未来投資の三位一体のビジネスを展開するマルイ。

Text Hiroko Ito Photo Hiharu Takagi