クレサヴァ株式会社（本社：東京都港区）は、不要な衣類を再資源化する循環型テクノロジー「CIRCULAR FARM」の事業を本格展開する。同社は株式会社ランデオ（本社：北海道苫小牧市）と提携し、衣類や繊維の回収事業を開始。国内で年間50万トンに及ぶ衣類廃棄の問題に挑み、持続可能な社会の実現を目指す。
衣類を「捨てる」から「土に還す」技術へ
国内で年間約50万トンもの衣類が廃棄される現状を受け、クレサヴァ株式会社は、不要な衣類を「土に還す」技術を活用した新たな循環型モデル「CIRCULAR FARM」を開発した。同技術では、衣類を分別せずに回収し、オートメーションで付属品を取り除きながら破砕・粉砕処理を行う。その後、独自の炭化装置で化学繊維に含まれる有害物質を分解し、安全な炭化物を生成する。
生成された炭化物は、土壌改良材として再利用され、農作物の栽培に活用される。この工程により、衣類廃棄時のCO2排出量を焼却処理と比較して約80%削減することが可能だ。捨てられていた衣類を農業資源として再生することで、ファッション業界の環境負荷軽減に大きく貢献する技術となっている。
今回の事業提携により、ランデオが拠点を置く北海道苫小牧市では2025年春に農場を併設し、炭化物を用いた農作物の栽培を開始する予定だ。これにより、地域農業と連携した「CIRCULAR FARM」の循環モデルが構築される。
クレサヴァは2028年までに、国内の衣類廃棄量の10％にあたる約5万トンの処理能力を目指し、地方自治体や企業との協業を進めていく方針だ。将来的には日常的なインフラとしての確立を目指し、持続可能な社会構築への貢献を目指している。