野村不動産ホールディングス株式会社は、循環型経済を推進するため、グループ全体で不要品のリユース・リサイクルを促進する新たな取り組みを開始した。13カ所の商業施設、ホテル、マンションにおいて不要品の回収を行い、資源循環のシステムを導入することで、持続可能な社会の実現を目指す。
ECOMMIT社との業務提携により資源循環を強化
野村不動産ホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区)は、2024年8月13日、株式会社ECOMMIT(本社:鹿児島県薩摩川内市)との業務連携に関する協定書を締結した。この協定により、グループ内の商業施設、ホテル、マンションにおける不要品の回収からリユース・リサイクルまでの資源循環システム「PASSTO(パスト)」を導入することが決定した。
このシステムは、各施設に設置された回収ボックスを通じて、不要となった衣類や雑貨などを回収し、再流通させる仕組みを提供する。また、ホテルの客室では、宿泊者が不要品を残すことができる意思表示カードを設置し、忘れ物や不要な衣類を回収し再利用する取り組みが開始された。
今回の導入は、野村不動産コマース株式会社が運営する5つの商業施設、野村不動産ホテルズ株式会社が運営する4つのホテル、そして野村不動産パートナーズ株式会社が管理する4つの分譲マンションを対象としている。今後、さらに多くの施設での導入が予定されている。
野村不動産グループは、2030年までの目標として「サーキュラーデザイン」を掲げ、廃棄物の削減や再資源化に取り組んでいる。これまでにも、建物の長寿命化や既存マンションの再生、シェアオフィス「H¹T」の開発など、さまざまな環境配慮型の取り組みを行ってきた。
今回のECOMMITとの提携により、グループ内の各施設を利用する顧客やマンション居住者が、日常的に環境保護活動に参加できる。ホテルでは、宿泊者が滞在中に不要となった衣類を意思表示カードとともに客室に残し、回収される仕組みが導入されている。また、保管期限を過ぎた忘れ物も廃棄せずに回収し、再利用を図る。
さらに、ECOMMITのトレーサビリティシステムにより、回収された不要品の選別や再流通のプロセスがデータで可視化されるため、透明性が高まり、再資源化率の向上が期待される。
「PASSTO」は、「次の人に渡す、未来に渡す」という意味を込めて、「PASS TO」を短縮した造語で、使わなくなった不要品を回収し、最適な再利用方法を選別し、リユース・リサイクルする循環型のサービスだ。
野村不動産グループは、PASSTOを通じて、より多くの人々が気軽に資源循環に参加できる場を提供し、サーキュラーエコノミーの実現を目指している。この新たな取り組みにより、生活者が“捨てる”以外の選択肢を持つことができ、循環型社会の推進に寄与することが可能となる。
今後も、商業施設やホテル、マンションにおいて不要品の回収を推進し、リユース・リサイクルの拡大を図る。
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