東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(TGES)は、熊本県阿蘇郡小国町で「わいた第2地熱発電所」の発電および熱輸送設備の建設工事を開始した。この発電所は、再生可能エネルギーの普及を目指す取り組みの一環として注目されている。

地熱発電の意義と将来展望

TGESは、わいた第2地熱発電所株式会社が進めている「わいた第2地熱発電所」の発電出力4,995kWの設計・施工を担当する。この発電所はシングルフラッシュ方式を採用し、2026年3月に商用運転開始を予定している。
わいた第2地熱発電所は、地下でフラッシュ(減圧沸騰)した地熱流体から蒸気を分離し、タービンを回して発電するシステムを採用。この方式は安定した発電を可能にし、天候に左右されない特徴を持つ。TGESは、自社のエンジニアリングや運転保守の知見を活かし、長期間にわたる運用性と保守性に優れた設備を実現する。
本発電所の運営は、わいた地区全30世帯の世帯主で構成される合同会社わいた会と、ふるさと熱電株式会社が行う。売電による収益の一部はわいた会に還元され、地域の整備や産業創出に活用される。この取り組みは、地域社会と企業の協力による持続可能な発展を目指している。
地熱発電は、再生可能エネルギーの中でも安定した供給が可能なベースロード電源として期待されている。TGESは、地熱発電のエンジニアリングに取り組むことで、再生可能エネルギーの普及拡大を推進し、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献する方針。
TGESは、これまでにも太陽光発電やバイオマス発電など再生可能エネルギーの分野で多くの実績を積んできた。今回の地熱発電設備の設計・施工は、同社にとって初の取り組みとなるが、これまでの経験と技術を活かし、高品質な設備の提供を目指す。
わいた第2地熱発電所の建設は、地域の持続可能な発展と再生可能エネルギーの普及に寄与する重要なプロジェクト。TGESは、将来的には他の地域にもこの技術を展開し、全国的な再生可能エネルギーの普及に貢献することを目指している。

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