★ここが重要!

★要点
Maintainable®︎NEWSで以前紹介したXENCEの「サーキュラー木造温室™」が、世界三大デザイン賞の一つであるRed Dot Design Award 2026を受賞した。評価されたのは、未利用木材の活用から解体後の再利用までを見据えた資源循環型建築としての設計思想だった。
★背景
建築分野では運用時の省エネだけでなく、建設時に発生する炭素排出や資源消費への対応が世界的な課題となっている。現代では、建てて終わりではなく、地域資源を活かしながら循環させる建築への転換が求められている。

木造建築は「低炭素な建物」という枠を超え始めている。
XENCEが開発した「サーキュラー木造温室™」が、国際的なデザイン賞であるRed Dot Design Award 2026のアーバンデザイン部門を受賞した。今回評価されたのは、美しい木造空間だけではない。未利用木材を活用し、農業や観光、教育、地域コミュニティの拠点として機能し、さらに解体後の再利用まで見据えた循環型の仕組みだ。
建築を「消費するもの」から「地域資源を巡らせるもの」へ。
その可能性が、国際的な舞台で認められたということだ。

資源循環型建築が国際的な評価を獲得

サーキュラー木造温室™は2025年の発売以降、グッドデザイン賞やウッドデザイン賞など複数の賞を受賞してきた。今回新たに加わったRed Dot Design Awardは、ドイツのiFデザイン賞、アメリカのIDEA賞と並ぶ世界的なデザインアワードとして知られる。
注目したいのは、単なる建築デザインとして評価されたわけではない点だ。
この温室は、製材工程で十分に活用されてこなかった未利用木材を主要構造材として採用する。さらに、建設、利用、解体、再利用までを一つのライフサイクルとして捉え、資源が循環する仕組みを建築そのものに組み込んでいる。
世界各地で循環経済への移行が加速するなか、建築分野においても「どのように建てるか」だけでなく、「どう使い続け、どう次へつなぐか」が問われ始めている。今回の受賞は、まさにその潮流と重なる出来事だったと言えるだろう。

未利用木材が生み出す新しい価値

建築業界では近年、木造化への関心が高まっている。その本質は単純な木材利用ではない。
サーキュラー木造温室™が特徴的なのは、従来は価値化が難しかった未利用木材を建築資源として活用している点にある。これにより森林資源の有効利用を促しながら、建設時にはカーボンネガティブの実現も目指している。
また、木材が持つ断熱性や調湿性、耐塩害性を活かすことで長期利用にも対応できる。
地域に眠る資源を掘り起こし、新たな用途へ接続する。その考え方は、建築だけでなく地域経済の循環にもつながっていく。

農業施設から地域拠点へ

この温室は農業施設にとどまらない。
モジュール建築として設計されているため、観光農園、教育施設、研究拠点、コミュニティスペースなど、多様な用途への展開が可能だ。2025年には三重県志摩市で実証導入が始まり、今後は新モデルの開発も予定されている。
現在、人口減少や空き地・遊休地の増加が進む地域では、一つの施設が複数の役割を担うことが重要になっている。
食を育てる場所であり、学ぶ場所であり、人が集まる場所でもある。
建築がただの箱ではなく、地域活動を支えるインフラへ変わろうとしている。

建てるための建築から、循環する建築へ

これまで建築は、完成した瞬間が価値のピークと考えられがちだった。
しかし気候変動対策や資源制約への対応が求められる現在、その考え方は変わりつつある。重要なのは、建物がどれだけ長く使われ、どれだけ資源を循環させられるかだ。
サーキュラー木造温室™は、解体後の素材回収や再利用まで視野に入れた設計を採用している。建物を消費財ではなく、再び資源へ戻る循環の一部として捉える発想である。
今回のRed Dot受賞は、木造建築の未来像に対する国際的な評価とも言えるだろう。
これからの木造建築は、未利用木材を活かし、人を集め、地域をつなぎ、役目を終えた後も次の用途へ受け継がれる。そんな循環する都市装置としての可能性を帯び始めている。

サーキュラー木造温室™の詳細はこちら
https://xencegroup.com/greenhouse

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