三菱地所ホーム株式会社が手掛けた木造商業ビル「MOTOMACHI Wood Terrace」が神戸元町にオープンした。このビルは、木の構造美を「見せる(魅せる)」ことをコンセプトに、環境に配慮した設計が特徴的だ。2月14日よりアパレル店舗として営業を開始した。

環境に優しい木造建築がもたらす、持続可能な社会の新たな可能性。
昨今のサステナビリティへの関心の高まりを受け、都市部でも木造建築の需要が増している。この流れの中、神戸元町に新たにオープンした「MOTOMACHI Wood Terrace」は、木材の魅力を最大限に引き出した商業ビルで、都市木造化のシンボルとして注目されている。2024年に設立40周年を迎えた三菱地所ホーム株式会社が、木造住宅メーカーとしての経験を活かして推進設計・施工を担当し、木造の構造美を「見せる(魅せる)」コンセプトのもと建設した。
このビルは、環境負荷を軽減するためにCLT(直交集成板)を用いた床板や梁を採用。ガラス越しに木の躯体が見える外観は、通りを行き交う人々の目を引く。ビルの内装も木材の存在感を強調し、訪れる人々に自然の温かみを感じさせる空間となっている。
建造物の木造化のメリットとして、鉄筋コンクリート造と比較して工期の短縮や建設コストの削減が挙げられる。また、ライフサイクルアセスメントにおけるCO2排出量を80%以上削減し、カーボンニュートラルの実現に貢献。木材の調湿効果やリラックス効果によって、建物内に陳列された商品のコンディションを維持しつつ、顧客の購買意欲を高めることが期待されている。
株式会社マザーハウスがテナントとして入居し、天然素材を活かした建築理念に共感したことで、2社は企画の初期段階から協働してきた。SDGsやウェルビーイングを意識する企業が増える中、木造木質化はテナント誘致にも有効な手段となっている。