花王株式会社のスキンケア研究所は、独自の「ウルトラ肌解析™データベース」を用いて、106名の日本人女性を対象に5年間の肌の変化を解析した。この研究により、40歳前後と50代半ばに肌状態が大きく変化することが判明し、肌の「曲がり角」が2回存在することが示唆された。
年齢による肌の変化、ウェルエイジングの新たな視点。
加齢と共に変化する肌の状態は、個人差が大きく、その特性を理解することが重要視されている。花王は1992年より、同一人物を長期にわたって追跡調査し、網羅的なデータベースを構築してきた。この「ウルトラ肌解析データベース」を活用することで、化粧品開発において貴重な科学的知見を得ている。
今回の研究では、2010年から2015年にかけて、16～74歳の日本人女性106名の顔画像を解析。3D画像を平面に変換し、肌の見た目の経年変化を詳細に評価した。その結果、参加者の肌状態は、40歳前後と50代半ばに大きく変化することが確認された。
解析にはeigenface法を用い、主成分分析を実施。結果、肌の見た目変化は、年齢と共にU字型のパターンを描くことが判明。クラスタ分析により、見た目の変化が少ないグループA（平均年齢31.4歳）、小さな変化が見られるグループB（平均年齢47.8歳）、大きな変化が観察されるグループC（平均年齢61.6歳）に分類された。
この研究成果は、2024年11月に開催された第2回日本化粧品技術者会学術大会で発表され、最優秀ポスター発表賞を受賞。肌の見た目の経年変化における「曲がり角」を解明したことで、ウェルエイジングを目指す新たなスキンケアの提案が期待される。
同社は今後も「ウルトラ肌解析データベース」を活用し、個々の価値観に寄り添った化粧品やケア方法の開発を推進していく予定だ。