災害時に最も重要な飲料水を確保するため、株式会社土岐(愛知県豊川市)は移動式RO浄水器「LIFE CART」を開発した。バッテリー駆動で、場所を選ばずに清潔な飲料水を供給することができる装置は災害時の水対策として注目されている。

高性能フィルターと大容量バッテリー搭載

LIFE CARTは、河川、池、プール、井戸水などの水源を飲用水に変えることが可能な高性能フィルターを搭載。RO膜を用いた6段階の濾過システムにより、人体に有害な物質を0.0001μmまで除去し、安心安全な飲料水を生成する。このフィルター技術は、一部医療設備でも採用されているレベルのものであり、高い信頼性を誇る。
装置には大容量バッテリーが内蔵されており、満充電で25時間の連続運転が可能。100V電源での充電も行いながら運転できるため、災害時の停電などの状況でも使用可能となる。さらに、バッテリーは高性能で、使用開始から1年後でも容量を最低80%以上保持し、自己放電率は30日で1%程度という低い数値を実現している。
LIFE CARTは、高さ90センチ、幅60センチ、奥行き50センチのコンパクトなカート式デザイン。女性や高齢者でも「キャリーケース」のように簡単に移動できるよう、大型キャスターが装着されている。また、ツールボックスをそのままの形状で使用しているため、タフな環境にも耐えうる仕様となっている。水源からの取水は投げ込み型ポンプを採用し、低い場所からも安心して水をくみ上げることができる。最大揚程は25メートルに達し、様々な地形や環境に対応しており、河川や池などの自然の水源からも効率的に取水し、飲料水として利用できる。
LIFE CARTには太陽光発電システムも付属しており、災害時の停電など、非常事態でも使用可能。太陽光を利用することで、バッテリーの充電が継続でき、長期間にわたって飲料水を供給し続けることができる。土岐新也社長は、「災害時に最も必要なものは飲料水です。備蓄しているペットボトルだけでは不足する事態が想定されます。場所を取らないので、防災備品として一緒に置いてほしい」と語る。LIFE CARTは、災害時の水不足を解消するための新たなソリューションとして期待されている。

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