IHIと日本製鉄が共同で、木質バイオマス専焼技術の実用化によるカーボンニュートラル貢献で、市村地球環境産業賞の功績賞を受賞した。
バイオマス混焼技術の革新、実証試験から商用運転へ
IHIと日本製鉄は、公益財団法人市村清新技術財団が主催する第56回市村賞において、市村地球環境産業賞の功績賞を初めて受賞した。この受賞は、北日本製鉄所 釜石地区の火力発電所における木質バイオマス混焼実証から、木質バイオマス100%専焼の商用運転実現への貢献が評価された結果である。
受賞の背景には、2015年度に北日本製鉄所釜石地区の火力発電所で始まった木質バイオマス混焼実証がある。従来数%にとどまっていた木質バイオマスの比率を25%まで引き上げることに成功し、その後、木質バイオマス100%専焼へと技術を進化させた。この技術は、短期間・低コストでバイオマス専用ミルへの改造が可能であり、バイオマス燃料の供給状況に応じて従来燃料用ミルへの復帰も可能である。
IHIはこの技術により、発電所におけるカーボンニュートラル化と森林資源の有効活用に貢献する。さらに、2050年までにサプライチェーン全体でカーボンニュートラルの実現を目指し、顧客のニーズに応える多様なソリューションを提供していく計画である。この功績賞は、IHIと日本製鉄の環境に対する取り組みが高く評価された証であり、両社は今後も持続可能な技術開発に励んでいく。