
★要点
早稲田大学の学生プロジェクト「Precious Plastic Waseda」と、佐賀県唐津市のNPO法人「唐津Farm&Food」が、廃プラスチックをアップサイクルした製品を販売する共創オンラインショップを開設。唐津の海や街で回収したペットボトルキャップなどを原料に、一つひとつ手作業で再生した、世界に一つだけのプロダクトを届ける。
★背景
深刻化する海洋プラスチック問題に対し、Z世代を中心とした若者の環境意識はかつてないほど高まっている。一方で、リサイクル活動は「面倒」「意識が高い人のもの」と捉えられがちだった。オランダ発のオープンソース技術「Precious Plastic」を活用し、リサイクルを“楽しく創造的な活動”へと転換するこの取り組みは、環境問題への新しい参加の形を提示する。
ゴミ拾いは、宝探しだ。そんな言葉が、現実味を帯びてきた。早稲田大学の学生たちと、佐賀県唐津市のNPOが手を組み、海岸で回収した廃プラスチックを、クジラのキーホルダーやサングラスといった、心ときめくプロダクトへと生まれ変わらせている。これは、環境問題への真摯な眼差しと、ものづくりの楽しさが融合した、新しい時代のサーキュラーエコノミー。私たちの足元にある「ゴミ」が、未来を照らす「資源」になる。
オープンソース技術「Precious Plastic」が繋いだ、東京と唐津
このプロジェクトの核となるのが、オランダ発のオープンソースリサイクル技術「Precious Plastic」。誰もがアクセスできる設計図を元に、比較的小さな機械でプラスチックを破砕・溶解・成形するこの技術は、世界中のコミュニティでローカルな資源循環を生み出している。 東京でこの技術を実践する早稲田大学の学生プロジェクトと、佐賀・唐津の海で環境保全に取り組むNPO。物理的な距離を超え、「廃プラスチックを、もう一度“資源”として捉え直す」という共通の想いが、彼らをオンラインで結びつけた。

二つとない“一点もの”——クジラ、植木鉢、サングラス
共創オンラインショップに並ぶのは、すべてが手作業から生まれる“一点もの”だ。色とりどりのペットボトルキャップをアップサイクルした「クジラのキーホルダー」は、どんな色や模様のクジラが届くか分からない、一期一会の出会いが楽しめる。同じく廃キャップから生まれた「フラワーポット」は、植物を育てる時間と共に、資源が循環していく感覚を暮らしの中にもたらす。 さらに、唐津で回収したプラスチックを原料にした「アップサイクルサングラス」も。ファッションアイテムとして純粋に“かけたい”と思えるデザイン性と、環境への配慮を両立させた。これらのプロダクトは、プラスチックごみが持つ“記憶”を、美しいマーブル模様として宿している。



高校生も参加、教育の現場としてのアップサイクル
この取り組みは、唐津市の「カーボンニュートラルチャレンジ事業」の一環でもあり、地域の教育にも広がりを見せている。現在、早稲田大学の学生が唐津南高校の生徒と協働し、新たなアップサイクルプロダクトの制作を進行中だ。 廃プラスチックの回収から、再生、ものづくり、そして販売までを一連の流れとして学ぶ。この実践的な経験は、環境問題を「自分ごと」として捉え、解決策を自ら生み出す力を育む、最高の生きた教材となるだろう。学生とNPO、そして地域が連携するこの小さな循環の輪が、大きな未来を描き始めている。
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