三井不動産レジデンシャル株式会社は、関連3社と連携し、廃棄素材を活用したアート作品「パラアート」を、原則すべての分譲・賃貸マンションの共用部に設置する新たな取り組みを開始した。第一弾として、全国17物件で約30点の作品を導入する予定だ。持続可能な社会の実現を目指し、廃棄物の再利用に基づくアートプロジェクトが、マンションを新たな舞台にして動き出した。

廃棄素材の活用が広げる可能性。アートで繋がる循環型社会
サステナブルデザインの重要性が高まる中、廃棄素材を再利用する新たな取り組みが注目を集めている。三井不動産レジデンシャル株式会社は、三井デザインテック株式会社、特定非営利活動法人studioFLAT、サプティー株式会社と協力し、スポーツ競技場などで使用された幟(のぼり)や廃棄化粧品を再活用したアート作品「パラアート」をマンション共用部に設置する計画を発表した。
この取り組みでは、廃棄予定だった素材を回収し、新たな価値を持つ作品へと再生する。幟や横断幕は館内サインアートへ、廃棄化粧品は絵画の絵具の一部として活用される。studioFLATのパラアーティストたちが自由な発想で制作するこれらの作品は、単なる装飾品ではなく、循環型社会の実現を象徴する存在となる。
今回のプロジェクトの第一弾では、分譲マンション「パークホームズ」シリーズや賃貸マンション「パークアクシス」シリーズなど、首都圏を含む全国17物件の共用部において約30点のアートが設置される予定だ。
新たな協業モデルが生む成果
プロジェクトを支えるのは、各分野で実績を持つ4社の連携だ。素材提供を担うサプティー株式会社は、スポーツチームのウェアや幟の製作を手掛け、長年のノウハウを活かして廃棄素材を回収している。studioFLATは、パラアーティストが古布を織り込む独自の手法で反物を制作し、アート作品を生み出している。三井デザインテックはデザイン設計の視点から館内サインアートの完成度を高め、三井不動産レジデンシャルはプロジェクト全体の推進を担う。
廃棄物アートなどの活用が広げる、循環型コミュニティのこれから。
今後、これらの廃棄物活用アートやパラアートの設置範囲は、さらに拡大されて行くだろう。この取り組みは単に廃棄物を再利用するだけでなく、住空間に新たな魅力をもたらし、サステナビリティへの意識を高める役割を果たすからだ。三井不動産グループが掲げる「共生・共存・共創」の理念に基づき、循環型社会の実現に向けたさらなる展開が期待されている。