日本航空株式会社（JAL）、伊藤忠商事株式会社、ENEOS株式会社、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社、株式会社みずほ銀行、みずほリサーチ＆テクノロジーズ株式会社、成田国際空港株式会社の7社は、持続可能な航空燃料（SAF）を利用した新たなCO₂削減スキーム「Scope3環境価値取引」を開始するプロジェクトに合意し、成田空港での実証試験を行うことを2024年8月2日に発表した。
Scope3環境価値取引の新たなビジネススキーム誕生なるか?!
SAFは、従来の航空燃料と比べてCO₂排出量を大幅に削減できる持続可能な燃料として注目されている。非化石由来の動植物油脂や廃食油、都市ごみなどを原料とし、化石燃料よりも環境負荷が少ない。この燃料を利用することで、航空輸送の脱炭素化が大きく進展する可能性が高い。
このプロジェクトでは、SAFの利用によって発生する間接的なCO₂排出量削減効果、すなわち「Scope3環境価値」を取引する新しいスキームを構築する。Scope3環境価値取引とは、航空会社がSAFを利用して航空機から排出されるCO₂を削減し、その削減分を他の企業が自社の間接的なCO₂排出量削減として評価し、取引するもの。これにより、航空輸送のバリューチェーン全体でSAFの利用を促進し、コストをシェアすることが可能となる。
今回の実証試験では、成田空港を舞台にSAFを利用し、Scope3環境価値の取引スキームのコンセプトを確認する。その後、参加企業を拡大し、本格的な実証事業を経て社会実装を目指す。この取り組みの成功によって、日本全体でSAFの普及が進み、航空業界の持続的成長と環境負荷の低減が実現されることが期待される。
【企業7社の役割】
■伊藤忠商事: SAFの供給とScope3環境価値の提供。持続可能な社会の実現に向け、今後も有力パートナーと共にSAF普及に貢献。
■ENEOS: SAFの原料調達、製造、販売を担当。Scope3環境価値とSAFの利用促進を図り、航空業界のGHG削減に寄与。
■NIPPON EXPRESSホールディングス: 航空貨物輸送に係るScope3環境価値の購入と展開。持続可能な社会を目指す。
■日本航空: SAF利用によるScope3環境価値の提供。お客様やパートナー企業と共に脱炭素化に貢献。
■みずほ銀行: プロジェクトの運営サポートと取引体制の確認。金融知見を活かし、航空・空港業界の脱炭素化を支援。
■みずほリサーチ＆テクノロジーズ: 実証事業の運営と取引体制の確認。金融知見とノウハウを提供。
■成田国際空港: プラットフォーム運営とScope3環境価値の購入。航空業界の脱炭素化に貢献。
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