国際的な脱炭素の潮流が変化を迎えている。アメリカのトランプ政権発足やウクライナ情勢、欧州の戦略見直しなど、地政学的リスクと経済情勢が複雑に絡み合う中で、今後の脱炭素政策がどのように進展していくのかが注目されている。これらの背景を踏まえ、2025年2月27日に開催されるセミナーでは、元外務省気候変動担当であり脱炭素メディア「GXチャンネル」発行人の前田雄大氏が、脱炭素の最新動向を解説する。
揺れ動く脱炭素政策「トランプ政権」の影響と地政学リスク
近年、パリ協定の発効以降加速してきた脱炭素の流れが、世界的に大きな転換点を迎えている。特に注目すべきは、トランプ政権の発足による影響だ。国内においては化石燃料生産の加速が予想され、国際的には中東諸国との関係悪化や中国の台頭が懸念されている。また、ウクライナや中東の地政学リスクがエネルギー市場を揺るがし、インフレの影響が脱炭素セクターの成長にブレーキをかける可能性も指摘されている。
欧州でも状況は変化している。これまで脱炭素のリーダーとして先陣を切ってきた欧州だが、戦略見直しの動きが進んでおり、これが国際的な合意形成に影響を及ぼしている。一方で、こうした動きが国際的なリーダーシップの不在を招き、中国がその隙間を埋める形で主導権を握る可能性も否定できない。
脱炭素の未来をどう読み解くべきか?
今回のセミナーでは、これらの複雑な情勢を踏まえ、今後の脱炭素政策の展望が示される予定だ。具体的には、以下のトピックが取り上げられる。
①地政学リスクとインフレが脱炭素に与える影響
②脱炭素サプライチェーンにおける中国の影響力
③トランプ政権による米国の政策転換とその余波
④停滞が予想される国際的な政策進展とその要因
⑤これからの脱炭素を読み解くための多面的アプローチ
これらのテーマに基づき、セミナーでは今後の脱炭素政策の全体像が明らかにされる見込みだ。
講師:
元外務省 気候変動担当(含むG7、G20、パリ協定関連)
脱炭素メディアGXチャンネル発行人 兼 統括編集長
前田 雄大氏
1984年生まれ。2007年、東京大学経済学部卒、外務省入省。開発協力、原子力、大臣官房業務などを経て、2017年から気候変動を担当。G20大阪サミットの成功に貢献。パリ協定に基づく成長戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。2020年より脱炭素フィールドに職を展示、2022年より現職。現在は、所属先において脱炭素事業のコンサルを中心に業務を手掛ける他、「GXチャンネル」というYouTubeチャンネルを通じて脱炭素情報を日々発信中。プレジデント・オンラインはじめ寄稿多数。書籍「60分でわかる! カーボンニュートラル 超入門」も発売中。また、地域脱炭素についても4自治体のアドバイザーを務めるなど第一人者として活動している。
日時:
2025年2月27日(木)13:30-15:00
受講方法:
■ライブ配信 (Zoomウェビナー)
■アーカイブ配信(2週間、 何度でもご都合の良い時間にご視聴可)