米国スタンフォード大学とエルゼビア社が作成する「世界のトップ2%の科学者」リストが2024年9月17日に更新され、東京都市大学から8名の教員がランクインした。このリストは、標準化された引用指標に基づく包括的なデータベースで、科学者の研究成果や影響力を示す指標のひとつとされる。東京都市大学は、先端的な研究と教育を通じて、社会課題の解決に貢献する学術機関としての役割を強めている。
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東京都市大学の研究が世界に評価される理由
東京都市大学は1929年に武蔵高等工科学校として創立され、1949年に学制改革により武蔵工業大学に昇格し、機械・電気・建設の3工学科を設置。その後、2009年の創立80周年、武蔵工業大学と東横学園女子短期大学が統合し「東京都市大学」に校名変更した大学だ(現在の学長/野城智也氏 専門分野:サステナブル建築、イノベーション・マネジメント/工学博士)。
同学は長年にわたり、実務能力を備えた人材を多数輩出してきた。現在では、都市を舞台にイノベーションを起こす大学として、持続可能な社会の実現を目指した研究を推進している。その成果の一端として、今回の「世界のトップ2%の科学者」への教員のランクインがある。
このリストは、研究者の論文の被引用数や影響度をもとに作成され、世界の学術界における貢献度を評価する指標のひとつだ。東京都市大学から選ばれた8名の教員は、「持続可能なエネルギー」「スマートシティ」「通信工学」「5G技術」「ロボティクス」などの分野で優れた研究成果を上げている。これらの分野は、現代社会における重要な技術革新の基盤であり、社会課題の解決や未来の都市構造の形成に直結するものだ。
東京都市大学は、専門性の高い教員が分野を横断して協働し、革新的な研究を推進している。世田谷・横浜といった都市部に位置するキャンパスを活かし、多様な人々との協働を促進しながら、都市の課題解決に貢献する研究を展開している。今後も、先端技術を駆使し、都市の発展と持続可能な社会の構築を支える研究を進めていく方針を掲げている。
2029年に創立100周年を迎える、東京都市大学。これまでの伝統と実績を礎に、新しい時代のニーズに応える教育・研究機関として進化を続け、学生一人ひとりが「都市を舞台にイノベーションを起こす」主体者となれるよう、世界に貢献する人材の育成を期待されている。
「世界のトップ2%の科学者」に選出された
東京都市大学所属教員リスト
【single recent year(単年)の区分】
■田中 康寛氏(理工学部 機械システム工学科 教授)
専門科目:機械システム工学
研究テーマ:ロボティクス、機械システムの制御
■リジャル ホム・バハドゥル氏(環境学部 環境創生学科 教授)
専門科目:環境創生学
研究テーマ:持続可能なエネルギー、環境技術
■高田 達雄氏(名誉教授)
専門科目:通信工学
研究テーマ:5G技術、情報通信システム
【career-long(生涯)の区分】
■佐和橋 衛氏(理工学部 電気電子通信工学科 教授)
専門科目:電気電子通信工学
研究テーマ:通信工学、情報通信技術
■小長井 誠氏(総合研究所 特別教授)
専門科目:スマートシティ
研究テーマ:都市計画、スマートシティの設計
■白木 靖寛氏(名誉教授)
専門科目:エネルギー工学
研究テーマ:持続可能なエネルギーシステム
■宿谷 昌則氏(名誉教授)
専門科目:建築学
研究テーマ:建築デザイン、都市環境
■ドゥラゴミル ネンチェフ(金宮 好和)氏(名誉教授)
専門科目:ロボティクス
研究テーマ:ロボット工学、機械制御
参考ページ:ELSEVIER “August 2024 data-update for “Updated science-wide author databases of standardized citation indicators”