シン・エナジー株式会社(兵庫県神戸市、代表取締役社長:乾 正博)が株式会社オーリス(秋田県南秋田郡大潟村、代表取締役社長:髙橋 浩人)より建設工事を受注し進めていた日本初の「もみ殻バイオマス地域熱供給プラント」が、2024年7月17日に竣工式を迎えた。このプラントによって大潟村の村内で大量に発生するもみ殻を燃料とし、地中に埋設した熱導管を通じてホテルや温浴施設に熱が供給される。

大潟村の地域課題「大量のもみ殻」がエネルギーになって地域を救う

秋田県大潟村は、日本有数の米どころとして知られているが、稲の実の外皮であるもみ殻が大量に発生し、その処理が課題となっていた。本プロジェクトは、もみ殻をバイオマスボイラーで燃焼させ、得られた熱エネルギーを地中の熱導管を通じて供給することで、地域課題の解決に寄与する。
竣工式には地元や事業関係者約40名が参列し、プラントの完成を祝った。大潟村の村長でありオーリスの代表取締役社長でもある髙橋 浩人氏は、「稲作から食料とエネルギーを創り出し、地域資源と地域経済の好循環を構築することが、同じような課題に悩む他の地域にも紹介できるグリーントランスフォーメーション(GX)の好事例になる」と述べた。

本プロジェクトの特徴は以下のとおり
1.脱炭素先行地域に採択
大潟村は「2050年自然エネルギー100%の村づくり」を掲げ、2022年に環境省の「第一回 脱炭素先行地域」に選出。
2.地域資源の有効活用
村内で発生する年間約14,000トンのもみ殻のうち、年間約1,800トンを使用し、90℃の温水を生成。
3.環境への貢献
化石燃料の使用量を削減し、年間約1,550トンのCO2排出量の低減見込み。
4.高性能設備の導入
デンマークのLinka Energy A/S社製バイオマスボイラー、LOGSTOR INTERNATIONAL Sp.z o.o.社製熱導管、Schneider Electric社製のSCADAシステムIGSSを導入し、リアルタイムデータの高速収集と可視化を実現。
5.広範な地域熱供給
村内約3.5kmにわたる地域熱供給ネットワークが構築。
6.副産物の活用
もみ殻燃焼の副産物「もみ殻燻炭」を農業資材として地域農家に販売し、土壌改良剤や育苗培土として活用する。また、J-クレジット制度を活用した炭素固定と経済的メリットが期待される。

シン・エナジー株式会社は、エネルギーの地産地消を通じて地域が豊かになる事業に取り組んでいる。大潟村においても、地元主導による「自然エネルギー100%の村づくり」の達成に向けた技術的支援を行い、地域資源を有効活用した持続可能な暮らしと農業の実現に貢献することを目指す。


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