東京都主催の「Hibiya Art Park 2025」が、2025年4月25日から5月25日まで開催される。日比谷公園で行われるこのイベントは、公園の新しい楽しみ方を提供する「花と光のムーブメント」の一環として、アートインスタレーションやパフォーミングアーツを通じて訪れる人々に新しい体験を提供する。

公園に広がるアートと自然の饗演。

「Hibiya Art Park 2025」は、公園の四季を通じた花と光の演出にアートを加え、新たな公園の楽しみ方を提案するもの。会期は2つで構成されている。

第1期「Transformed Composition -組み合わせと見立てで遊ぶ-」では、日本の伝統的な見立ての技法を用いた作品が並び、久保寛子やジャコモ・ザガネッリらによるパブリックアートを体験できる。自然とアートが融合し、訪れる人々に新しい視点を提供する。

特に注目されるのは、小金沢健人と西畠清順のコラボレーションによる「Forest for Momentum」。公園内に突如現れるジャングルは、訪れる人々に異世界の体験をもたらす。また、久保寛子の作品「やさしい手」が池に浮かぶ姿は、自然とアートの調和を象徴し、ジャコモ・ザガネッリによる「Hibiya Ping Pong Platz」では、ピンポンを通じた交流が楽しめる。

久保寛子「やさしい手」
「津山ピンポン広場」(2024)Photo: Giacomo Zaganelli

第2期「“Play”ing Catch -集まり方の練習-」では、パフォーミングアーツが中心となり、観客参加型のプログラムが展開される。観客は、花や昆虫などと共に進化する関係をその身体で体験するだろう。

小泉明郎によるVR作品「火を運ぶプロメテウス」では、参加者が新しい感覚の世界に没入できる。また、維新派の野外上映会や、上田久美子らによる参加型パフォーマンスでは、人間と自然の新しい関係性を探る試みが行われる。

Still image from Prometheus the Fire-Bringer, 2023, image courtesy of the artist
維新派「トワイライト」撮影:井上嘉和

東京都は2033年の開園130周年に向け、多くの人々に開かれた公園づくりを目指している。「Hibiya Art Park 2025」は、日比谷公園の歴史を振り返りつつ、新たな文化の発信地としての役割を再確認する場となるだろう。新たな発見とつながりを生み出すこのイベントを、ぜひ訪れて自身の五感で体感してほしい。

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