株式会社ノンピと三菱地所は、「ゴミゼロの日」である5月30日に合わせ、東京・大手町の社員食堂「SPARKLE」で食品残渣を活用した「循環米」や「循環野菜」を使った特別メニューを提供する「ゴミゼロイベント」を開催する(5月26日(月)~30日(金))。東京発の循環型農業の取り組みである「ゼロ・ウェイスト社食」が、都市から生まれた新しい食の循環モデルとして注目を集めている。

社員食堂から始まる「農」と「環境」の再接続。
5月30日は「ゴ(5)ミ(3)ゼロ(0)」の語呂合わせから環境省が提唱する「ゴミゼロの日」とされており、全国で廃棄物削減やリサイクル活動が行われる。この日に合わせてノンピと三菱地所が開催したのが、「ゼロ・ウェイスト社食」をテーマとした特別イベントだ。
イベントの舞台となるのは、大手町パークビルにある社員食堂「SPARKLE」。ここで、東京の社員食堂で排出された食品残渣を原料にした液肥・堆肥を使って栽培された「循環野菜」や「循環米」を活用したメニューが提供される。さらに、野菜の皮やヘタなど本来廃棄される部分を煮出した「ベジブロス」を使ったスープやカレーなども登場。これらのメニューを通じて、社員一人ひとりに食の循環と環境負荷軽減の意識を喚起する。

社内で出たゴミが、再び社員の皿にのぼる「循環」。
「ゼロ・ウェイスト社食」は、三菱地所グループが丸の内エリアで掲げる「廃棄物再利用率100%」という目標の実現に向けた取り組みの一環として、2024年から本格的に始動した。これはビル内のコンポストで食品残渣を液肥化し、その液肥で育てた作物を再び社員食堂で提供するという、都市型の循環型農業モデルだ。
埼玉県寄居町の自社農園「寄居町ファーム」では、ノンピ社員や社員食堂利用企業の従業員も参加するかたちで、循環米や野菜の栽培が行われており、2025年5月には田植え、9月には収穫を予定。都市と農、消費と生産がつながる体験として、単なるCSRや環境対策にとどまらず、従業員の参加意識を高める企業活動としての側面も強い。

社員食堂は「食」と「社会」をつなぐコミュニケーション空間だ。
ノンピが掲げる「ゼロ・ウェイスト社食」は、単なる食事提供に留まらない。“フードコミュニケーションカンパニー”を標榜する同社は、元ホテルオークラ料理長の監修による高品質な温かい料理を、工事不要で導入可能なキッチンレスモデルで展開し、企業ごとの食文化や課題に応じたメニュー開発も手がけている。
ベジブロスを使った液肥野菜カレーや循環米の炊き込みご飯など、地球にも社員にも優しいメニュー構成に加え、社員との対話を促す場としての設計も行われ、こうしたアプローチにより、社員食堂は健康や働きやすさのためだけでなく、持続可能な未来を育む“実践の場”へと変貌しつつある。
企業の社食から、2030年に向けた「ゴミゼロ社会」実現への一歩を。
ノンピと三菱地所が目指すのは、2030年までにゴミをゼロに近づける「ゼロ・ウェイスト社会」の構築だ。その鍵を握るのが、日々の食におけるリサイクルと循環であることは言うまでもない。コーヒー粕を堆肥化して循環米を育てるなど、資源の循環が「都市」内で完結する仕組みは、他の大都市にも応用可能なモデルとなるはずだ。
この「ゼロ・ウェイスト社食」で循環の担い手となるのは、企業でも行政でもなく、ひとりひとりの市民であり従業員である点が重要だ。社員が田植えに参加し、収穫された作物を自らの職場で食べるという体験が、ゴミを出さないライフスタイルへの意識変容を生み出す。
【ゼロ・ウェイスト社食】
主なイベント内容
・循環米を使用したメニューの提供
・循環野菜を使用したメニューの提供
・食品ロスを活用したお弁当の提供
・コーヒー粕を堆肥化!
・三菱地所の社員食堂「SPARKLE」での食品ロス削減の取り組み紹介
主なメニュー内容
ゴミゼロイベントの特別メニューでは、ベジブロスを使用している。ベジブロスは、英語の「ベジタブル(野菜)」と「ブロス(出汁)」を組み合わせた言葉で、野菜の皮やヘタ、芯などを煮出して作る出汁のことを指す。通常捨ててしまう部分を活用することで、栄養素を無駄なく摂取でき、環境にも優しい取り組みとして注目されている。
・ベジブロスで液肥野菜カレー
・ベジブロスで醤油ラーメン
・ベジブロスで生姜焼
・ベジブロスでこんにゃく炊き込みごはん(ノンピファームで栽培した循環米を使用)
・ベジブロススープ


※「ゼロ・ウェイスト社食」は、三菱地所株式会社に所属する社員を対象としており、一般の方の参加はできません。