★ここが重要!

★要点
Baluko Laundry Place×モンベルが共同開発した「モンベル撥水コース」が、宅配の洗濯代行「Laundry OUT」で全国提供を開始。水洗い+PFASフリー撥水加工で機能を回復し、ダウンやレインを“買い替え前提”から“使い続ける前提”へ。
★背景
衣料の環境負荷は製造時だけではない。短寿命化と買い替えサイクルの速さが廃棄と排出を押し上げる。家庭で難しい高機能ウェアのケアを“オンラインで預けるだけ”に変えることは、行動のハードルを下げ、循環利用の実装を前に進める。

山でも街でも着倒したレインが、箱一つでよみがえる。OKULABが運営するBaluko Laundry Placeは、モンベルと組んだ撥水回復メニューを宅配代行「Laundry OUT」に拡張した。水と環境配慮型洗剤で汚れを落とし、PFASフリーのはっ水剤を熱で定着。自宅にいながら、機能を戻し、寿命を延ばす。買い替える前に、まず“整える”。そんな当たり前をつくる動きが始まった。

“ドライなし”で機能を戻す。水系×PFASフリーの処方。

一般的な撥水オプションの多くは、ドライ溶剤や含フッ素化合物に頼る。モンベル撥水コースはここを裏返す。工程はシンプルだ。まず水と環境配慮型洗剤で、汚れを確実に落とす。次にPFASフリーの「O.D.メンテナンス はっ水剤」を用い、乾燥機の熱で撥水を活性化。排水負荷に目配せしつつ、少量の水でも薬剤が行き渡るよう、特殊すすぎを噛ませる。数字よりも、手順の誠実さ。機能回復と環境配慮を同じラインに乗せた。

左:コース使用前
右:コース使用後
※水を滴下後、30秒経過後撮影
※撥水効果を確認するため、綿100%の衣料に加工効果を施している。

“家の前まで往復”——宅配代行がメンテの参入障壁を消す。

「Laundry OUT」は全国から宅配で衣類を預かる。撥水コースはBOX単位の注文で、ウィンドブレーカーなら目安5枚。価格は、1BOX 5,060円(東京23区の往復送料込み)。最短3日後に返ってくる。店舗が遠い人、時間がない人、仕上がりに自信がない人といった参入障壁を、物流が溶かす。結果、メンテの“先送り”が減り、機能低下による買い替え需要も自然にしぼむ。

“洗うほど短命”を止める。「ケア」で延びるライフサイクル。

撥水が落ちたレインは、保水・冷え・重さで使う気持ちを削る。コースは「汚れ落とし→撥水復活→熱定着」で実用域に戻す。ダウン、レイン、寝袋まで対象が広いのも強みだ。家での失敗が怖いアイテムほど、プロセスを“サービス化”すると裾野が広がる。ケアの習慣化は、次の製品が作られるまでの時間を延ばす。見えない排出の減算だ。

コインランドリーから宅配へ、“場”を越える拡張。

このメニューは、2023年から一部のBaluko店舗で提供を重ねてきた。今回は“場所の制約”を外して全国展開へ。店でのセルフ体験と宅配の委託体験をつなぎ、ユーザーの選択肢を二層化する。現場の運転ノウハウは宅配フローに転写され、宅配のデータは店舗改善に戻る。サービス同士が学び合う循環だ。

可視化・回数設計・リペア連携という次の一手。

撥水は消耗する。だから“定期的に戻す”前提の設計がいる。Maintainabele NEWS編集部が提案したいのは三つ。第一に可視化。使用回数・天候・洗濯回数を簡易に記録し、再施工の目安を提示する。第二に回数設計。シーズン前後の再撥水をサブスクで括る。第三に連携。破れ・剥離はリペアネットワークに回し、撥水と修理を同時見積りに。メンテを“旅の準備”に組み込めば、ギアはさらに長く旅に出られる。

【サービス概要】
・提供開始:2025年10月10日(金)
・対象:ダウンジャケット/レインウェア/寝袋など撥水回復が必要なアイテム
・方式:水洗い→PFASフリーはっ水剤→熱定着(特殊すすぎで薬剤浸透を最適化)
・注文:BOX単位(例:ウィンドブレーカー約5枚)/最短3日返送
・価格:1BOX 5,060円〜(東京23区往復送料含む)
・提供:Laundry OUT(OKULAB)/共同開発:モンベル

Laundry OUTのホームぺージはこちら
モンベル撥水コースのホームページはこちら

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