
★要点
6月の環境月間を迎え、生活者が楽しみながら参加できる循環経済(サーキュラーエコノミー)の取り組みが各地で本格化している。わけありスイーツのレスキューから、商業施設のゴミの可視化、廃油を使った体験型イベントまで、「捨てる」を「楽しむ」に変える新しい選択肢が揃った。
★背景
「環境のために我慢する」時代は終わり、現代の生活者が求めているのは「心地よさや楽しさの延長線上にある環境行動」だ。制度や義務としてではなく、日々の買い物や遊びの中で自然に社会課題へコミットできる仕組みが、都市の新しい作法になりつつある。
いよいよ6月の「環境月間」が始まった。サステナブルやエコという言葉が街に溢れる季節だが、「何をすればいいのか分からない」「我慢するのは嫌だ」と感じている人も少なくないはずだ。しかし2026年の今、循環経済は「制度」から「生活者がワクワクしながら参加できるアクション」へと進化している。今回は、食品ロス、商業施設の裏側、環境イベントを横断し、今すぐ始められるこの時期にぴったりの循環アクションを紹介する。
楽しむフードロスレスキュー。環境月間限定の“わけあり”ドーナツ
形が少し不揃いなだけで、味は変わらず美味しい。そんな“わけあり”スイーツを、お得に、レスキューする試みが始まっている。
食品ロス削減アプリを展開する「Too Good To Go」と「クリスピー・クリーム・ドーナツ」は、環境月間に合わせた限定企画を始動。製造過程でどうしても出てしまう、見た目が規格外のドーナツをアプリを通じてお得に販売する。
私たちが「美味しい」を楽しむ選択の先に、結果として食品ロス削減という循環が生まれる。この気軽さこそが、現代のスマートな消費の形だ。
“完璧”じゃなくても、“ちゃんと”おいしい。 これまで“販売されなかった”ドーナツを6月の環境月間限定で販売
https://krispykreme.jp/news/15883/

知ることから始める。「かくれフードロス」への新しい視点
私たちが家庭やお店で目にする食品ロスは、氷山の一角に過ぎない。実は、畑や食品加工の段階で、流通に乗らずに捨てられている「かくれフードロス」が大量に存在している。
過熱蒸気技術で端材をアップサイクルする「ASTRA FOOD PLAN」の意識調査によると、消費者の間でもこの「見えないロス」への認知と、それを解決するテクノロジーへの期待が高まっている。売り場に並ぶ商品の背景にあるストーリーを想像し、「なんとなくエコ」を卒業してプロセスの透明性を支持する。それも立派な循環アクションだ。
食品ロスに関心がある人の約8割が「かくれフードロス」を十分に知らない。一方で、7割以上が”未利用食材を加工した食品”に「抵抗なし」と回答
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000099210.html

商業施設の裏側を可視化。ゴミを「資源のデータ」に変える技術
私たちが日常的に買い物や食事を楽しむ商業施設。その裏側でも、劇的な変化が起きている。
資源循環プラットフォームを提供する「RECOTECH(レコテック)」は、商業施設内の廃棄物をテナント別にデジタルで可視化する取り組みを推進。これまで曖昧だった「どこから、何が、どれだけ捨てられているか」を数字に変えることで、施設全体の高度な再資源化を可能にする。都市の華やかな売り場を支えるのは、こうした“見えないメンテナンス”とデータの力だ。
RECOTECH、国内最大級のリゾート型ショッピングモールに、資源循環のデータインフラ「pool」を導入
https://recotech.co.jp/news/pool-karuizawa/

体験から学ぶ循環。廃油が“推し色”キャンドルに変わる場所
家庭や飲食店から出る「使用済み食用油(廃油)」が、自分の好きなカルチャーと結びついたらどうなるだろうか。
阪急阪神不動産とオーエスは、梅雨時期の週末を楽しめる体験型イベントを開催。回収された廃油を精製し、自分だけの「推し色」に彩られたアロマキャンドルを作るワークショップを実施する。
捨てられるはずだった油が、日常を癒やすお気に入りの道具へ。自分の手を動かす楽しさを経由することで、資源を「使い切る」心地よさが肌感覚で理解できるようになる。
廃油が”推し色”のキャンドルに ―サステナブル×推し活の体験イベント「Loop~資源・地域・人のつながりが循環する~」大阪・梅田6月4日(木)開催
https://www.osgroup.co.jp/news/-loop64.html

【まとめ】流す前に、少し受け止める。あなたの選択がインフラになる
現在進行中の2026年環境月間が教えてくれるのは、サステナビリティとは我慢や義務ではなく、日常を少し豊かにする「知恵の組み合わせ」であるということだ。
ドーナツを美味しく食べる、見えないロスに関心を持つ、イベントでモノづくりを楽しむ。それぞれの行動の規模は小さくても、生活者一人ひとりの選択が積み重なれば、それは社会を支える確実な「循環インフラ」へと変わっていく。この6月は、身近な「捨てる前」に隠された価値を見つけることから、心地よいスタートを切ってみてはどうだろうか。
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