長谷工コーポレーションとカネカが、住宅内の照明環境が居住者の健康に与える影響についての共同研究をスタート。カネカの有機EL照明を用いた実験を通じ、入眠促進や疲労回復の可能性を探る。
OLED照明と居住環境
株式会社長谷工コーポレーションと株式会社カネカは、住宅内照明の環境改善による居住者の健康促進を目指し、共同で照明環境の検証を行う。この検証では、カネカの有機EL照明を採用し、その照明が居住者の入眠や疲労回復に与える効果を評価することを目的としている。検証は、全面改修を施した賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」で行われ、メラトニン分泌量や睡眠中の脳波を測定することで、科学的なデータに基づいた分析を行う。
有機EL照明は、その特有の柔らかい光が人の目に優しく、眩しさを感じさせないことから、居住空間での使用に適しているとされている。また、有機EL照明は、低色温度の光を放出することで、人の体内リズムにも配慮した設計となっており、自然と体がリラックス状態になりやすいという特長がある。
本研究では、有機EL照明が居住者の健康に与える影響に注目し、特に睡眠の質の向上と疲労回復に焦点を当てる。メラトニンの分泌を抑制しにくいとされるOLED照明の特性を活かし、居住者がより良い睡眠を得られるような照明環境の提供を目指す。また、長谷工コーポレーションは、この検証結果を基に、今後の住宅設計における照明計画に反映させることを検討している。
この共同研究は、快適な居住環境の実現だけでなく、居住者の健康維持・向上に寄与する可能性を探るものであり、将来的には新たな住宅設計の指針となることが期待されている。