
★要点
STORY&Co.が、アップサイクルとリペアの拠点『PATCH&PLAY』を11月1日に原宿でオープン。「ワッペンを貼る(PATCH)」「リメイクで遊ぶ(PLAY)」をコンセプトに、約500種のワッペンやダーニングといった創造的なリペアメニューを提供。ファッションの“お直し”を、自己表現の“スタイル”へと再定義する試みだ。
★背景
大量生産・大量消費への反省から、若者を中心に一つのモノを長く使う価値観が再評価されている。しかし、従来のお直しは「修理」という地味なイメージが強かった。アップサイクルやリペアを、創造的で楽しい「遊び」としてカルチャーに昇華させることで、「サステナブル疲れ」を超えた新しい参加の形を提示する。
服を“直す”という行為は、もっと楽しく、もっと創造的になれるはずだ。原宿に誕生する新ショップ『PATCH&PLAY』は、その答えを提示する。ワッペンを貼り、刺繍を加え、ダーニングで彩る。それは修理というより、むしろ新しいスタイルを創造する“遊び”。大量消費の時代が終わりを告げる中、アップサイクルをストリートカルチャーのど真ん中から再定義する、野心的な実験が始まる。
“すきなきもちを、ぬいつけよう。”──約500種のワッペンが紡ぐ物語。
『PATCH&PLAY』の核心は、その名の通り「PATCH(貼る)」と「PLAY(遊ぶ)」にある。店内には、オリジナルデザインやクリエイターとのコラボレーション作品など、約500種類ものワッペンが並ぶ。グラフィックデザイナー増田豊氏が手掛けたロゴワッペンは、アルファベットが“めくれ上がる”ようなユニークなデザイン。「元の価値を尊重しながら、新しい物語を重ねる」という店の哲学を象徴している。 客は、お気に入りの服やバッグを持ち込み、無数のワッペンの中から自分の“好き”を選んで再構築する。それは単なるカスタマイズではない。自分のアイデンティティをモノに“縫い付ける”ことで、消費するだけでは得られない、モノとの新しい関係性を築く行為だ。


“見せるお直し”──ダーニングと刺し子がリペアをアートに変える。
この店のもう一つの柱が、創造的なリペアサービスだ。裾上げやボタン付けといった基本的なお直しはもちろん、ヨーロッパの伝統的な補修技術「ダーニング」や、日本の「刺し子」といった、あえて“見せるお直し”を提案する。 穴が空いたセーターの穴をカラフルな糸でアートのように塞いだり、擦り切れたジーンズに幾何学模様の刺繍を施したり。ダメージは隠すべき欠点ではなく、新たなデザインを生み出すための“きっかけ”となる。リペアを「再生」ではなく「再編集」と捉えるこの視点は、モノの寿命を延ばすだけでなく、所有者の愛着をも深めていく。



原宿から仕掛ける「たのしいリペア文化」。
『PATCH&PLAY』は、循環型クリエイティブコミュニティ「NewMake Labo」内に開設される。ミシンや刺繍機が並ぶラボのような空間で、ワークショップなども開催。企業やブランドの余剰在庫を活用したコラボレーションも企画していくという。 オープンを記念し、期間限定でお直し料金が10%OFFになるキャンペーンも実施。ファストファッションの潮流が生まれた原宿という場所で、「直して長く使う」という価値を、古臭い道徳としてではなく、クールで創造的な“遊び”として再提案する。それは、サステナビリティがファッションと不可分になった時代の、必然的なムーブメントなのかもしれない。
【SHOP INFORMATION】
PATCH&PLAY(パッチ・アンド・プレイ)
東京都渋谷区神宮前6-6-2 原宿ベルピア104(NewMake Labo内)
営業時間:11:00〜18:00(不定休)
【公式HP】https://storyandco.co/service/new-make
【Instagram】@patchandplay_tokyo
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