★ここが重要!

★要点
2026年8月27日、国立環境研究所、森林総合研究所、北海道大学の研究チームが、耕作放棄地の生物多様性を評価する研究成果を発表した。論文は7月27日付で米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されている。
国内199か所での鳥類調査と、世界各地の研究を統合したメタ解析。結論は明快だった。耕作放棄が生物多様性にとって正か負かは、その地域にどんな鳥が住んでいるかで予測できる。
繁殖期の北海道では、低地の耕作放棄地の鳥類種数が、圃場整備されていない水田の約2.4倍。ところが繁殖期の九州では逆転し、水田のほうが約1.4倍多い。同じ「耕作放棄」が、北と南で正反対の意味を持つ。
そして2026年8月、WWFジャパンが沖縄県与那国島で、耕作放棄地を水田へ戻すプロジェクトを開始した。2030年6月までの4年計画。再生の指標には、水生昆虫が何種戻るかを使う。
放置するか、手を入れるか。二つのニュースは、同じ問いの表と裏である。

★背景
農村の人口減少は、世界各地で進んでいる。日本はその最前線にいる。耕す人がいなくなった農地は増え続けている。
この耕作放棄地を、生物多様性の観点からどう扱うべきか。答えは20年以上、定まらないままだった。
日本の里山やイタリア、アルゼンチンの草原では、耕作放棄で種数が減ったという報告がある。一方、カザフスタンやロシア、北海道では、かつて農地開発で追われた生きものが戻ってきたという報告もある。
同じ現象なのに、地域によって結果が逆になる。この「状況依存性」は、保全計画を立てるうえで大きな障害になってきた。生物多様性条約でも、耕作放棄地の扱いは具体的に言及されていない。
2030年まで、あと4年。昆明・モントリオール生物多様性枠組が掲げるネイチャーポジティブの達成年である。日本には、すでに放棄された広大な土地がある。それを資産と見るのか、負債と見るのか。判断の物差しが、いま初めて示された。

耕作が放棄された田んぼに、日本で300個体ほどしかいないとされる鳥がいた。
亜種アカモズ。国立環境研究所などの研究チームが、特定の耕作放棄地で繁殖期を通じて確認した。国内の生息数が50個体を下回るとされるサンカノゴイも記録された。
岡山県のある耕作放棄地では、越冬期に2ヘクタールあたり73個体のオオジュリンが数えられた。東北以北の湿原で繁殖し、冬に南下してくる鳥である。
放棄された土地は、荒れているだけではなかった。
一方、日本最西端の与那国島では、逆のことが起きていた。かつて水牛が耕した水田は、耕す人がいなくなって陸地化し、島の水辺が急速に失われた。そこに生きていた固有の巻貝や水生昆虫の行き場が、消えていった。
放っておけば自然は戻る——そう言い切れないから、話は難しい。
2026年夏、この問いに対する二つの答えが、ほぼ同時に示された。

87種。放棄された田んぼに、絶滅危惧の鳥がいた

研究チームは、北海道から九州まで199か所の調査地点を選んだ。
耕作放棄地、自然湿原、森林、圃場整備されていない水田、圃場整備された水田、畑。この6種類の土地を、繁殖期と越冬期の二度にわたって歩き、鳥を数えた。
耕作放棄地で確認されたのは、合計87種。
そこには、冒頭のアカモズやサンカノゴイに加え、オオジシギ、オオセッカなど7種の絶滅危惧種・準絶滅危惧種の繁殖や越冬が含まれていた。
なぜ、放棄された農地に、これほどの鳥が集まるのか。
理由は、耕作放棄地が単一の環境ではないからだ。
水はけの悪い低地では、ヨシが茂り、低層湿原に似た植生が成立する。ここにはオオジシギやオオヨシキリといった湿原性の鳥が集まる。
一方、水はけのよい山地では、樹木が育つ。ウグイスやシジュウカラなど、森林性の鳥が入ってくる。
同じ「耕作放棄地」という言葉でくくられていても、地形と景観によって、湿原にも森にもなりうる。
そして日本は、過去の農地開発で草原と湿原の多くを失ってきた。耕作放棄地は、その代替の生息地として機能する場合がある。

耕作放棄地のアカモズ
(「耕作放棄は生物多様性にとって正か負か?—全国野外調査と全球メタ解析で保全上の価値を予測—」国立研究開発法人国立環境研究所/国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所/北海道大学 2026年8月27日)

北海道で2.4倍、九州で1.4倍。逆転する答え

ただし、話はここで終わらない。
研究チームは、耕作放棄地の鳥類種数が、圃場整備されていない水田と比べて多いか少ないかを数値化した。「耕作放棄の効果量」と呼ばれる指標である。
結果は、地域によってはっきり分かれた。
繁殖期の北海道。低地の耕作放棄地に生息する鳥類種数は、圃場整備されていない水田の約2.4倍と推定された。放棄が、種数を増やしている。
繁殖期の九州。今度は逆で、圃場整備されていない水田の種数が、耕作放棄地の約1.4倍。放棄が、種数を減らしている。
海外でも同じ分岐が見られた。ポーランドやブルガリアでは、放棄によって種数が減る。ロシアやオーストラリアでは、増える。
なぜ、こうも結果が割れるのか。
20年以上、この問いに統一的な説明はなかった。

低地の耕作放棄水田
(「耕作放棄は生物多様性にとって正か負か?—全国野外調査と全球メタ解析で保全上の価値を予測—」国立研究開発法人国立環境研究所/国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所/北海道大学 2026年8月27日)

予測の鍵は、「その地域に誰が住んでいるか」

研究チームが持ち込んだ発想は、種を一つずつ数えるのをやめることだった。
記録された鳥を、主な生息環境ごとに五つの「機能群」に分ける。湿原性、草原性、森林性、裸地性、水辺性の五つである。
このうち、農地を主な生息地として好むのが、裸地性(スズメ、ヒバリなど)と水辺性(サギ類など)だ。
そこで、その地域の鳥類全体のうち、裸地性と水辺性が占める割合を計算した。
すると、きれいに説明がついた。
裸地性・水辺性の鳥が多数派を占める地域では、農地がなくなると行き場を失う種が多いため、耕作放棄は種数を減らす。ポーランド、ブルガリア、そして繁殖期の本州中部以南が、これにあたる。これらの地域では、鳥類相のおよそ半数以上が農地を主な生息地とする種だった。
逆に、湿原性や森林性の鳥が多い地域では、放棄によって湿原や森に近い環境が生まれるため、種数は増える。ロシア、オーストラリア、そして繁殖期の北日本である。
地域の鳥の顔ぶれを見れば、その土地を放棄したときに何が起きるかが予測できる。
国内199か所の調査でも、世界各地の研究を集めたメタ解析でも、同じ法則が成り立った。
応用の余地は広い。開けた環境を好む多くのチョウ類は、裸地性の鳥と同じ反応を示す可能性がある。水辺に依存する魚類は、水辺性の鳥と同様だろう。図鑑に載っている生息環境の情報と、種の分布データを組み合わせれば、土地利用の変化が生物多様性に与える影響を、事前に見積もることができる。
どこを優先して調べ、どこを優先して守るのか。その判断材料になる。

本研究で提案した概念モデル 
群集レベル(調査した地域に生息する鳥類全種)の種数・個体数がどの土地利用で最も多くなるかは、地域の群集に優占する機能群によって異なる。例えば、地域の群集に湿原・草原・森林性鳥類が優占する場合(A)は、未圃場整備水田や圃場整備水田よりも、耕作放棄地で鳥類種数が多いと予測した。(「耕作放棄は生物多様性にとって正か負か?—全国野外調査と全球メタ解析で保全上の価値を予測—」国立研究開発法人国立環境研究所/国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所/北海道大学 2026年8月27日)
鳥類群集への耕作放棄影響と地域の裸地・水辺性鳥類の構成割合の関係 
効果量が0を超えると農地よりも耕作放棄地で群集規模(全種)の鳥類種数が多く、効果量が0を下回ると農地よりも耕作放棄地で群集規模の鳥類種数が少ないことを表す。すなわち、その地域の群集に裸地・水辺性鳥類が多く含まれる場合、耕作放棄地よりも農地で群集規模の鳥類種数が多くなり、耕作放棄の生物多様性への影響が負に評価されやすいことを示唆しています。円の大きさはサンプルサイズやばらつきで補正された、各地域の効果量推定時の重みづけの大きさを表す。(「耕作放棄は生物多様性にとって正か負か?—全国野外調査と全球メタ解析で保全上の価値を予測—」国立研究開発法人国立環境研究所/国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所/北海道大学 2026年8月27日)

答えは、季節によっても変わる

さらに厄介なことに、同じ場所でも季節で答えが変わる。
繁殖期の南日本では、耕作放棄は負に働く。ところが越冬期になると、南日本の耕作放棄地は、北日本の湿原で繁殖した渡り鳥の越冬地として機能していた。
冒頭で触れた岡山県のオオジュリンが、その例である。2ヘクタールに73個体。
夏は荒れ地でも、冬は避難所になる。
つまり、「この土地は保全価値が高い/低い」という単純な札は貼れない。いつ、誰にとって、という条件がつく。
研究チームは、二次的自然と原生的自然の重要性は対立するものではなく、連続的に変化するものとして整理し直すべきだ、と述べている。
里山か原生林か。人の手を入れるか入れないか。その二項対立そのものが、問いの立て方として粗すぎたのかもしれない。

圃場整備という、もう一つの脅威

この研究には、見落とされやすいが重要な指摘がもう一つある。
繁殖期の九州では、圃場整備されていない水田の鳥類種数が、圃場整備された水田の約1.8倍と推定された。
圃場整備とは、小さな田畑を機械作業や水管理がしやすいよう大きく整形し直すことをいう。農業の効率は上がる。だが、あぜ(けいはん)が取り除かれ、土の水路がコンクリートに変わり、生息環境は均質化する。
研究チームは、これを耕作放棄に並ぶ農地生態系への脅威と位置づけている。
つまり、南日本で生物多様性を守ろうとするなら、農地の面積を維持するだけでは足りない。あぜや土水路といった、生きものが使える要素を残した水田を維持する必要がある。
守るべきは「農地」ではなく、「生きものが使える農地」である。
ここに、メンテナンスという言葉の本質がある。土地は、あるかないかではない。どう手を入れ続けるかで、中身がまったく変わる。

与那国島——放棄によって、失われたもの

場所を、日本の最西端に移す。
沖縄県与那国島。沖縄島から約509キロ、石垣島から約127キロ。国境の島である。
この島でこれまでに確認された鳥類は、425種類以上。2025年に実施された1年間の調査では248種類が記録された。
ヨナグニカラスバト、オオクイナ、アカヒゲ、キンバト。絶滅のおそれが高い種が並ぶ。陸水域には、淡水魚のヒョウモンドジョウ、固有種の水生昆虫ヨナグニダルマガムシ、固有種の巻貝ヨナグニカタヤマガイやティンダハナタクリイロカワザンショウが生息する。
島の水は、地質が生んでいる。名勝ティンダバナは標高85メートルのサンゴが隆起・浸食されてできた崖で、琉球石灰岩層と八重山層群の境目から豊かな地下水が湧き出す。その湧水が、希少な淡水生物を支えてきた。
だが1960年以降、この陸水域は急速に失われた。
原因は二つ。開発による土地の改変と、水田が耕されなくなったことによる陸地化の進行である。
1960年代の写真には、水牛を使った稲作の風景が残っている。湧水を引き、島のあちこちに水田とため池があった。その水辺は、いまはない。
ここで、先ほどの研究が効いてくる。
与那国島は南日本にあたる。繁殖期の本州中部以南では、鳥類相の半数以上が農地を主な生息地とする種だった。この地域では、耕作放棄は生物多様性にとって負に働きやすい。
実際、与那国島で失われたのは、水田という湿地だった。
放置しても、湿原には戻らなかった。ただ、乾いた。

与那国島の樽舞湿原 ©WWFジャパン

水田に戻す。指標は、水生昆虫が何種戻るか

2026年8月、WWFジャパンが「与那国島の生物多様性保全プロジェクト」を開始した。期間は2030年6月まで。
実施メンバーには、WWFジャパンのほか、与那国島の自然と共に生きる会、与那国町農業委員会、水生生物担当として九州大学総合研究博物館協力研究員の中島淳氏、鳥類担当として松尾亮氏が名を連ねる。
活動の柱は三つ。
①耕作放棄地を水田に再生し、湿地生態系を回復すること。島内で拡大している水田跡地2か所を対象に、環境に配慮した水田へ戻す。
②絶滅危惧種が集中して生息するエリアや、環境省が「重要湿地」に選定した地区で生息調査を行い、法令等に基づく保護区の設置を目指すこと。
③島の伝統的な祭りや食文化を通じて、生物多様性の価値を島内外へ伝えること。
注目したいのは、再生をどう測るかである。
WWFは、生物多様性の再生指標として、水生昆虫の回復種数をモニタリングするとしている。
面積でも、予算でも、参加人数でもない。何種が戻ってきたか。
自然再生の現場では、「整備した」「植えた」という投入量が成果として語られがちだ。そこに、生きものの数という結果指標を最初から置いている。
プロジェクトを担当するWWFジャパンの小田倫子氏は、与那国島を「WWFとして初めての保全フィールド」と表現した。1960年以降失われてきた自然と景観が、2030年には今よりも守られている状態を目指すという。
一方、与那国島の自然と共に生きる会の高橋千恵代表は、別の角度から期待を語る。稲藁で豊年祭の綱引きの綱をつくるといった伝統文化の継承。収穫体験を通じた子どもたちへの食育。将来的にはエコツアー。
水田が戻れば、藁が戻る。藁が戻れば、祭りの綱が戻る。
自然の回復と、暮らしの回復が、同じ一枚の田んぼの上で起きる。
ネイチャーポジティブとヒューマンポジティブは、ここでは別々の目標ではない。
なお、島には別の懸念もある。重要湿地に選定されている樽舞湿原を掘削する新港湾建設計画が浮上しており、その影響が懸念されている。守る動きと、失う動きが、同じ島で同時に進んでいる。

(左)沖縄県の与那国島は、沖縄島から約509km、石垣島から約127kmの距離に位置する、日本最西端の国境の島。(与那国町役場HPより)
(右)与那国島で撮影されたキンバト。絶滅危惧IB類(EN)(沖縄県)、国指定天然記念物、国内希少野生動植物種。🄫松尾亮

手を離すことも、手を入れることも、選択である

これらのニュースを並べると、見えてくるものがある。
自然は、放っておけば戻る場合がある。北海道の低地では、耕作放棄地が湿原の代わりになり、失われた生息地を取り戻しつつある。
自然は、放っておいても戻らない場合がある。与那国島では、水田の放棄がそのまま水辺の消失になった。
どちらが正しいかではない。どちらも正しく、条件が違う。
そして、その条件は測れる。地域の生きものの顔ぶれを見れば、手を離したときに何が起きるかを予測できる。今回のPNAS論文が示したのは、その物差しだった。
日本には、耕作放棄地が広がり続けている。人口減少は止まらない。すべてを耕し続けることはできない。
ならば必要なのは、どこを手放し、どこに手を入れるかを選ぶ根拠である。
生物多様性の観点から重要な耕作放棄地は、日本各地に散在している。研究チームは、これらを既存の保護区や保全施策に位置づけることが、人口減少社会における新たな選択肢になると提案している。
放棄された土地を、そのまま「保護区」として認定する。そんな逆転の発想が、制度として成り立つかもしれない。
一方で、南日本の水田のように、手を入れ続けなければ守れない自然もある。あぜを残し、土の水路を残し、水を張り続ける。
放置は、管理の放棄であって、自然への配慮ではない。
手入れを続けることも、意図して手を離すことも、等しく判断である。
地球をメンテナンスするとは、おそらくそういうことだ。

参考

国立環境研究所 報道発表(2026年8月27日)
「耕作放棄は生物多様性にとって正か負か?—全国野外調査と全球メタ解析で保全上の価値を予測—」

https://www.nies.go.jp/pr/news-and-updates/2026/Press20260827.html

論文:Dominant functional group explains global bird diversity responses to farmland abandonment
米国科学アカデミー紀要(PNAS)、2026年7月27日

https://doi.org/10.1073/pnas.2530120123

WWFジャパン「与那国島の生物多様性保全プロジェクト始動」(2026年9月3日)
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/6379.html

FAQ

Q. 耕作放棄地は、生物多様性にとって良いのですか、悪いのですか?
A. 地域によって異なる。国立環境研究所などの研究によれば、その地域にどんな鳥が多く住んでいるかで予測できる。農地を好む鳥(裸地性・水辺性)が多い地域では耕作放棄は種数を減らし、湿原や森林を好む鳥が多い地域では増やす。

Q. 具体的に、どれくらい差があるのですか?
A. 繁殖期の北海道では、低地の耕作放棄地の鳥類種数が、圃場整備されていない水田の約2.4倍と推定された。一方、繁殖期の九州では逆に、圃場整備されていない水田のほうが耕作放棄地の約1.4倍多いと推定された。

Q. どのような調査が行われたのですか?
A. 北海道から九州までの199か所で、耕作放棄地、自然湿原、森林、水田、畑を対象に、繁殖期と越冬期の鳥類調査を実施した。あわせて、世界各地の既存研究を統合したメタ解析も行っている。論文は2026年7月27日付でPNASに掲載された。

Q. 耕作放棄地には、どんな鳥がいたのですか?
A. 合計87種が確認された。国内の生息数が300個体程度とされる亜種アカモズや、50個体を下回るとされるサンカノゴイのほか、オオジシギ、オオセッカなど7種の絶滅危惧種・準絶滅危惧種の繁殖や越冬が記録されている。

Q. 圃場整備は生物多様性に影響しますか?
A. する。繁殖期の九州では、圃場整備されていない水田の鳥類種数が、圃場整備された水田の約1.8倍と推定された。あぜの除去や生息環境の均質化を伴うため、耕作放棄と並ぶ農地生態系への脅威とみなされることがある。

Q. 与那国島で何が起きているのですか?
A. 1960年以降、開発による土地の改変と、水田が耕されなくなったことによる陸地化で、島の水辺が急速に失われてきた。かつて湧水を利用した水田やため池が島内各地にあったが、現在は失われている。

Q. WWFジャパンのプロジェクトは何をするのですか?
A. 三つの活動を行う。耕作放棄地2か所を水田へ再生して湿地生態系を回復すること、絶滅危惧種の重要な生息地で調査を行い保護区の設置を目指すこと、そして島の文化や伝統を通じて生物多様性の価値を普及することである。期間は2026年8月から2030年6月まで。

Q. 再生の成果は、どう測るのですか?
A. 生物多様性の再生指標として、水生昆虫の回復種数をモニタリングする予定としている。整備した面積ではなく、生きものが何種戻ったかという結果で測る設計になっている。

Q. 二つのニュースは、どうつながっているのですか?
A. 前者は「放置したときに何が起きるか」を予測する物差しを示し、後者は「放置しても戻らない場所で、手を入れる」実践にあたる。与那国島は南日本にあり、この地域では耕作放棄が生物多様性にとって負に働きやすいことが研究からも示唆される。

Q. 人口減少社会で、私たちは何を選べばよいのでしょうか?
A. すべての農地を耕し続けることはできない。研究チームは、生物多様性の観点から重要な耕作放棄地を既存の保護区や保全施策に位置づけることを、新たな選択肢として提案している。どこを手放し、どこに手を入れるかを、根拠をもって選ぶことが求められる。

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