近年、ホテルを選ぶ際に、環境や社会への配慮が基準となることが増えてきた。世界的にサステナブルな取り組みが重要視される中、日本でもサステナブルツーリズムやリジェネレイティブツーリズムが広がりを見せている。今回は、環境や社会に対する配慮を掲げた東京のホテルを紹介する。
環境配慮を徹底した東京のサステナブル&リジェネレイティブなホテル
渋谷「TRUNK HOTEL」/日比谷「帝国ホテル 東京」/赤坂「ホテルニューオータニ(東京)」
エコ素材と地域連携で持続可能な滞在を提供
渋谷「TRUNK HOTEL」
渋谷駅から徒歩約6分の場所に位置する「TRUNK HOTEL」は、「ソーシャライジング(社会的な目的を持ちながら、自分らしく生きる)」をテーマに掲げ、持続可能なライフスタイルを提案している。同ホテルの内装には、間伐材や古材が使用されており、客室で提供されるシャンプーやボディウォッシュはエコサート認証の100%オーガニック製品だ。鉄くずを再利用したハンガーや、廃棄されたゴムを利用したスリッパなど、随所にリサイクル素材が取り入れられている。また、ミニバーには渋谷で生まれたドリンクやスナックを揃え、地域との連携も大切にしている。
*エコサート認証:フランスを本拠地とする世界最大の国際有機認証機関。ヨーロッパで規定されているオーガニック基準を満たしているかを厳しく検査して、認定を行なう第三者機関
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迎賓館としての歴史とSDGsへの取り組み
日比谷「帝国ホテル 東京」
日比谷公園に近い「帝国ホテル 東京」は、日本を代表する迎賓館としての歴史を持ちながら、現代の環境課題に対応するための新しい取り組みを積極的に推進している。ロビーに設置されているシャンデリアやモニュメント時計は、すべて再生可能エネルギーで稼働しており、客室のアメニティも竹製やバイオマス素材に切り替えている。また世界的な食の不均衡を解消するためのプログラム「TABLE FOR TWO」参画、廃棄が出ない「新食感の白いパン W・E・Bread(White・Edge Bread)」の開発メニュー提供、食パンの耳を切り落とさないことによる食品ロス削減。宴会場使用のコーヒー・紅茶はレインフォレスト・アライアンス認証を取得した農園栽培の有機栽培原料を採用し、再生可能な紙資源でのストローやグラスキャップ使用、シャンパンやワインのコルク栓の収集再利用など、ホテル全体で循環再生への取り組みを行っている。そんな帝国ホテル 東京および帝国ホテル 大阪では、宴会場を含む全館において、2023年10月から使用電力の全量をCO2フリー電力に切り替えた。2023年に「Sakura Quality An ESG Practice」認証で最高評価を受けている。
*サクラクオリティグリーン認証:一般社団法人 観光品質認証協会が運営する、米国のグローバル・サステナブル・ツーリズム協議会が制定する国際規格をもとにした、SDGs を実践する宿泊施設の認証制度
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持続可能な運営で自然と共生
赤坂「ホテルニューオータニ(東京)」
赤坂の「ホテルニューオータニ(東京)」は、創業時から自然環境に配慮したホテル運営を行ってきた。館内には広大な日本庭園が広がり、屋上緑化も進められている。また、オール電化厨房システムや空気熱源ヒートポンプなどの先進的なエネルギー効率化技術を導入し、CO2排出量の削減を実現している。厨房から出る生ごみは100%リサイクルされ、提携農家で使用される堆肥として再利用されている。地球環境と共生しながら、高品質な宿泊体験を提供している。
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