
★要点
トータルブレインケアと東京大学が、5分間の認知機能チェックで従業員のメンタル不調リスクを可視化する分析エンジン「CogEvo For Mental」を共同開発。出勤していても生産性が上がらない状態「プレゼンティーズム」による年間7.6兆円の経済損失という、日本企業が抱える根深い課題に、客観的なデータで切り込む。
★背景
人的資本経営やウェルビーイングへの関心が高まる一方、従業員のメンタルヘルス管理は、本人の主観に頼るアンケート調査が主流で、客観的な状態把握が難しかった。「健康経営優良法人」の認定基準も、施策の実施だけでなく「結果(Outcome)」を重視する方向へ転換しており、データに基づいた効果的なメンタルケアが、企業の競争力を左右する時代に突入している。
あなたの会社の“元気のない社員”、そのコストは年間7.6兆円。出勤はしていても、心身の不調で生産性が上がらない「プレゼンティーズム」という、静かなる経済損失が日本企業にとって無視できない経済損失となっている。この“見えない不調”を、脳の働きから可視化する技術が生まれた。トータルブレインケアと東京大学が共同開発した「CogEvo For Mental」。それは、主観的なアンケートの限界を超える、新しい時代の健康経営の羅針盤だ。
なぜアンケートだけでは不十分なのか
これまで多くの企業は、ストレスチェックなどのアンケート調査で従業員のメンタルヘルスを把握しようとしてきた。しかし、そこには限界があった。回答者の主観に依存するため、本人が不調を自覚していなかったり、あるいは会社を慮って正直に答えなかったりするケースを捉えきれない。 その結果、多くの企業は問題が表面化してから対処する「事後対応」に追われ、年間7.6兆円ともいわれるプレゼンティーズムによる損失を、ただ垂れ流すしかなかった。
「認知機能の揺らぎ」が、不調のサイン
この課題に対し、トータルブレインケアと東大チームが着目したのが、「認知機能」だ。記憶、判断、注意といった、私たちが日常的に使う“脳の働き”である。共同研究の結果、「注意力の持続」や「判断の速さ」といった認知機能のわずかなパフォーマンス低下が、メンタル不調が深刻化する前の“先行指標”となり得ることを、科学的なエビデンスとして確認した。 新開発のエンジン「CogEvo For Mental」は、5分程度の簡単なPCタスクでこれらの認知機能を計測。本人の自覚や主観に左右されない客観的なデータに基づき、不調のリスクを早期に検知する。

SaaS事業者を通じて、社会のインフラへ
このエンジンは、一般の従業員が直接使うものではない。勤怠管理システムやタレントマネジメントシステムといった、人事系のSaaS(クラウドサービス)に組み込まれる形で提供される。これにより、事業者は自社のサービスに「東大との共同研究に基づくメンタル不調リスクの可視化」という、強力な付加価値を加えられる。 他社との差別化を図り、顧客企業の「健康経営」をデータに基づいて支援する。テクノロジーが、従業員一人ひとりのウェルビーイングを守り、ひいては日本企業全体の生産性を向上させる。そんな新しい健康経営のインフラが、ここから生まれようとしている。
プレスリリースはこちら
あわせて読みたい記事

【メンテナンス危機】約7割が「事後対応・放置」。人手不足が蝕む、日本の設備予防保全の現場

ユーフォリアとイムノセンス、唾液で免疫状態を10分で可視化。アスリートのコンディション管理を革新へ。

【なぜ交通機関のトイレは混む?】専門家と「行列ゼロ」の未来を探る、全国トイレシンポジウム。
