愛知県半田市に本社を構える甍エンジニアリング株式会社は、再利用性と軽量性・耐久性を兼ね備えた新しい屋根材「タイルーフ」を開発し、2024年6月から販売を開始した。この製品は、地震時の家屋倒壊リスクを軽減し、長期的な使用が可能な点で注目されている。
再利用性と軽量性を兼ね備えた新素材
タイルーフは陶器瓦の約半分の重量であり、一般的な家の屋根で約2トンの軽量化を実現する。これにより、地震の際に家屋の構造にかかる負荷が減り、倒壊のリスクが低減される。また、磁器素材を使用しており、紫外線や酸性雨、日射熱による劣化が無いため、塗り替えリフォームが不要。
タイルーフは屋根材初の再利用性を持ち、最大300年間繰り返し使用が可能。この特性により、省資源や産業廃棄物の削減、CO2排出削減などの環境性能に優れている。さらに、屋根のメンテナンス費用が大幅に削減され、経済性にも優れている。
開発の契機となったのは、2024年1月に発生した能登半島地震。陶器瓦の重さが家屋の倒壊リスクを高めることが明らかになり、軽量性の重要性が再認識された。しかし、軽量屋根材である金属屋根やスレート屋根は耐久性に乏しく、定期的な塗り替えが必要だった。こうした問題を解決するため、軽量性と耐久性を兼ね備えたタイルーフが開発された。
タイルーフの5つの特徴
- 軽量性
タイルーフは陶器瓦の約半分の重量で、地震時の家屋倒壊リスクを低減する。また、金属屋根やスレート屋根と同様に軽量なため、これらの屋根材からの置き換えも容易である。 - 超高耐久性
磁器素材を使用しており、紫外線や酸性雨、日射熱による劣化が無く、塗り替えリフォームが不要である。下葺き材の交換時にも再利用が可能で、省資源やCO2排出削減に貢献する。 - 施工性
特許技術により屋根端部の形状を規格化し、プレカット工法が実現。これにより、磁器質素材でも高い施工性を持つ。 - 再利用性
「タイルーフ買取制度」と「ルーフカルテ」により、建物の取り壊し時にタイルーフを再利用する仕組みを整備。高耐久性を持つタイル素材の特性を活かしたビジネスモデルである。 - 強靭品質
初期費用は高いが、長期的には塗り替え不要で経済的。300年間繰り返し使用が可能で、建物取り壊し時には買取制度により再利用が実現される。