株式会社東京バルは、食材の廃棄問題や温暖化対策を見据えた社会課題に対応するべく、食品ブランド「KAWAÌINE」をリブランディングした。同ブランドは、捨てられがちな食材を有効活用するアップサイクル食品と、植物由来の原材料を使用したプラントベース食品を特徴としており、今回のリブランディングではその価値をさらに広く伝えるため、パッケージデザイン変更や取り扱い店舗の拡大も行う。

健康的かつ持続可能な食の提案のリブランディング

東京バルは、2023年に茨城県つくば市に「新素材加工開発LAB」を設立。この施設では、野菜の皮や葉といった本来捨てられる部分を最大限活用し、新たな食品開発に取り組んでいる。今回のリブランディングにおいても、この施設で生まれた技術を活かし、健康的かつ持続可能な食の提案を推進している。
リブランディング後、「KAWAÌINE」ブランドの製品は、ビオセボンやナチュラルローソンなどの販売店で取り扱いが開始される。また、「THIS IS SALAD」シリーズとして提供される製品には、オーガニックジュースの残渣を使用したグラノーラが含まれ、持ち運びに便利な「持ち運ぶサラダ」というコンセプトで展開される。手軽に栄養豊富な食材を摂取できるとして、消費者からの関心が高まっている。
今回のリブランディングでは、パッケージデザインにも大きな変更が加えられた。商品ロゴは手書き風のデザインに変更され、自然な風合いを持つクラフト紙を使用することで、作り手のこだわりや温かみを強調。ブランドカラーには「ニュートラルグレー」や「チアフルイエロー」、そして「テンダーピンク」といった色が用いられ、これまでの大量生産・大量消費の風潮から脱却し、作り手と消費者がつながる温かみのあるブランドメッセージを表現した。
また、野菜を主原料とするグラノーラ「THIS IS SALAD」は、「お菓子でありながら野菜でもある」というメッセージを込め、商品デザインに野菜の写真や自然な色味を反映。消費者が手に取った瞬間に、商品の独自性を感じられる仕掛けが施されている。
東京バルは、2023年12月に25歳から49歳の男女1,523名を対象に実施したアンケート結果を基に、今回のリブランディングを進めた。その中で、約64.9%の女性と51.7%の男性が「野菜の皮や葉には栄養がある」と認識している一方、「調理が難しい」「食べにくい」と感じていることが判明。これを受けて、東京バルは栄養価の高い食材を手軽に摂取できる製品開発を強化し、消費者のニーズに応える形で商品を改良した。
リブランディングのもう一つの柱として掲げられているのが、サスティナビリティの追求だ。東京バルは、食品廃棄物の削減や持続可能な生産方法を採用することで、環境負荷を軽減する取り組みを推進。「KAWAÌINE」ブランドは、社会的課題の解決を目指しつつも、楽しく美味しい食品を提供することをモットーにしており、消費者にとって身近で魅力的な選択肢となることを目指している。
今回のリブランディングによって、同社は今後も持続可能な食品ブランドとしての地位を確立し、さらなる市場拡大を図る方針を示している。国内外のバイヤーや消費者との対話を通じ、より多くの人々に愛されるブランドを目指し、引き続きアップサイクル食品の開発を進めていく。

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