アサヒ飲料株式会社(本社:東京、社長:米女太一)は、岩手県奥州市(市長:倉成淳)および株式会社ミチノク(本社:岩手県奥州市、社長:住吉啓史)と「地球温暖化対策及び気候変動適応対策に係る連携協定」を締結した。この協定は、国内で初めて地方自治体と企業が協力して「CO2を食べる自販機」を通じた温暖化対策に取り組むもので、奥州市が表明した「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」を目指す第一弾の取り組みとなる。

地方自治体と企業が協力してCO2削減を目指す国内初の事例

今回の連携協定は、地球温暖化対策を推進する環境省の指針に基づき、温室効果ガスの排出削減と気候変動による影響の軽減を図る「緩和」と「適応」の二つの側面から成り立つ。アサヒ飲料とミチノクは「CO2を食べる自販機」の設置を奥州市内で推進し、自販機の稼働電力に起因するCO2排出量の実質的なマイナス化を目指す。
さらに、奥州市が設置する暑熱避難施設(クーリングシェルター)には、体調不良者向けの飲料をミチノクが準備・提供し、熱中症対策にも協力する。また、地域住民への環境教育や熱中症啓発活動も共同で行い、地域全体での環境意識の向上を図る。
「CO2を食べる自販機」は、自動販売機内部にCO2吸収材を搭載し、稼働中に空気中のCO2を取り込む仕組みを持つ。1台当たりの年間CO2吸収量は、稼働電力に起因するCO2排出量の最大20%に相当し、これはスギの成木約20本分に匹敵するという。現在、関東・関西エリアを中心に約150台が設置されており、屋外や屋内のCO2濃度が高い場所でも稼働している。特許も取得しており、脱炭素社会の実現に向けた画期的な技術として注目を集めている。
奥州市が表明した「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」の目標は、持続可能な社会を目指す自治体の先駆けとなる。この目標達成の第一歩として、今回の協定締結が行われた。協定により、自治体と企業が連携し、地域社会全体でのCO2削減や温暖化対策が一層推進されることが期待されている。
奥州市は、気候変動への適応策として、暑熱避難施設の設置や災害時の飲料提供といった具体的な対策を講じ、地域住民の安全を確保する取り組みを進める。また、環境教育や啓発活動を通じて、市民の意識向上を図り、地域全体が一丸となって温暖化対策に取り組む体制を整える。
今回の連携協定は、地方自治体と企業が協力してCO2削減を目指す国内初の事例となり、今後の地球温暖化対策のモデルケースとなる可能性がある。特に「CO2を食べる自販機」の導入は、自治体レベルでの実効性ある温暖化対策として他の自治体にも波及することが期待される。
アサヒ飲料は、社会に新たな価値を創造するという企業ビジョンのもと、「健康」「環境」「地域共創」の三つのマテリアリティに基づいた活動を展開している。今回の協定締結は、そのうち「地域共創」に焦点を当て、持続可能な地域社会の構築に貢献するもの。
同社は今後も、奥州市と連携しながら、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化していく方針で、地域住民の生活の質向上と持続可能な社会の実現に寄与することを目指している。


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