内子龍王バイオマスエネルギー株式会社が手掛ける「地域の木質資源を活用したコンパクトで持続可能なエネルギーと経済の循環モデル事業」が、コージェネレーション・エネルギー高度利用センター主催の「コージェネ大賞2024」民生用部門で特別賞を受賞した。同事業はエネルギー効率75%を達成し、地域資源の有効活用と経済循環の両立を目指す先導モデルだ。

木質バイオマス発電でエネルギー効率向上、地域の脱炭素化と経済循環を実現

内子龍王バイオマスエネルギー株式会社が愛媛県内子町で推進する「地域の木質資源を活用したコンパクトで持続可能なエネルギーと経済の循環モデル事業」が、コージェネ大賞2024の民生用部門特別賞を受賞した。この事業は、地域資源を最大限に活用し、脱炭素化と地域経済の活性化を両立する革新的な取り組みとして高く評価された。
同発電所では、年間約3,600トンの間伐未利用材を原料に製造された木質ペレットを燃料とし、ドイツ・ブルクハルト社製の小型高効率熱電併給装置を採用する。これにより発電と同時に発生する熱を隣接施設へ供給し、エネルギー効率は75%に達する。さらに発電した電力はFIT制度を活用して全量を四国電力に売電し、安定的な運用が可能となる計画だ。
発電所の建屋には地元内子町産の木材を使用し、景観にも配慮した木造デザインを採用。「観光資源として見せる発電所」として計画されており、地域住民や観光客にも開かれた施設となっている。
事業主体の内子龍王バイオマスエネルギーは、内藤鋼業、サイプレス・スナダヤ、竹中工務店、三洋貿易、大日本コンサルタントの5社が共同出資して設立された。また地域企業20社からの優先出資や、内子町からの支援を受け、地域全体が一体となって事業の実現に貢献している。
今後、この取り組みは地域の脱炭素化、防災力強化、さらには「持続可能なまちづくり」の先導モデルとして、他地域への展開も期待されている。