山口市の秋川牧園は、生産過程での逆境を乗り越え、耕作放棄地で栽培した酒米「山田錦」を使った甘酒を発売した。当初は日本酒を製造する予定だったが、カメムシ被害や高温障害で収量が不足。この未利用米をアップサイクルし、夏の栄養補給に最適な「飲む点滴」として商品化した。

カメムシ被害と猛暑、困難が生んだ新たな価値。

秋川牧園は、自社の鶏糞堆肥を活用し、農薬や化学肥料を使わない循環型農業に取り組んでいる。その一環として、2024年から山口市引谷エリアの耕作放棄地で酒米「山田錦」の栽培を開始。しかし、無農薬栽培にこだわる中で、収穫間近にカメムシの大量発生と猛暑による米の胴割れに見舞われ、日本酒製造に必要な量を確保できなかった。このままでは廃棄せざるを得なかった米の活用法を模索する中で、地元の磯金醸造の協力を得て、甘酒としての商品化に成功した。

山口市の山間部・引谷の田んぼで山田錦を栽培

酒米だからこその、さらりとした上品な甘さ。

一般的な甘酒は食用米で作るが、この商品は贅沢にも酒米の王様「山田錦」を使用。山田錦は食用米に比べてたんぱく質の含有量が少なく、これが「さらりとして、夏にも飲みやすい味わい」を生み出した。まさに逆境が生んだ偶然の産物といえるこの甘酒は、やさしい甘さとのどごしの良さが際立つ。氷で冷やすのはもちろん、炭酸やヨーグルトで割っても美味しく、食欲が落ちがちな夏の栄養補給に最適な一杯に仕上がっている。

やさしい甘さとさらりとしたのど越しが特徴
磯金醸造株式会社 磯金 大樹 社長
甘酒のソーダ割 シュワっとさらに飲みやすく

ホームページはこちら