一般社団法人手紙寺(代表理事:井上城治/東京都中央区)は、手紙を書くための静かな空間「手紙処(てがみどころ)」の初となる都心型店舗「手紙処 浜町」を2025年秋、東京都中央区日本橋浜町に開設する。入場料制・予約不要で、便箋や封筒が揃う執筆環境に加え、職員が選んだレターセットの販売や、書いた手紙を預けていく新サービスも提供。お焚き上げに対応する「手紙参り」用ポストの設置や、手紙・グリーフケアイベントの開催も予定されている。

都心で広がる「書くケア」――手紙がもたらす内省とつながりの時間。
デジタルコミュニケーションが日常の大半を占める現代において、手書きの手紙は、思考を整え、感情と丁寧に向き合うための有効な手段として再評価されてきている。手紙寺は2016年の活動開始以来、千葉県船橋市や東京都江戸川区の證大寺に併設する形で「手紙処」を運営し、手紙を書く行為を通じて心の穏やかさや自分らしさを取り戻す「書くケア」の場を提供してきた。今回、銀座や新宿からもアクセスしやすい日本橋浜町に新設される「手紙処 浜町」は、こうした実践を都心へと拡張し、より多くの人に開かれたかたちで内省の時間を届ける拠点となる。
「手紙処 浜町」は、手紙を書くことに特化した静謐な空間づくりが特徴だ。便箋・封筒・筆記具などの基本ツールを常備し、誰もがふらりと立ち寄って書き始められる。入場料制・予約不要で、営業時間は11:00~19:00(定休日あり)。都営新宿線「浜町駅」から徒歩1分という立地で、隅田川や明治座にも近く、買い物や観劇の合間にも利用しやすい。職員がセレクトしたレターセット等の販売のほか、書き残した手紙を預けていく新サービスも運用予定で、さらに、書いた手紙をお寺でお焚き上げする「手紙参り」用ポストを設置し、グリーフケアや手紙文化にまつわるイベントも実施するなど、書くことを中心に据えた体験を多層的に支える。

「手紙処」開設の背景には、手紙がもつ「つながり」の力への確信がある。発起人である證大寺住職・井上城治さんは、宛先の「あの人」に深く想いを寄せて筆をとる時間が、書き手自身の明日を支える一歩になると語る。ここでいう「あの人」は、いつもそばにいる人、もう会えない人、そして自分自身であってもよいという。手紙寺は、手紙の取り扱い(お焚き上げ等)や商品・場の開発、イベントの企画運営を通じて、個々の内面と社会をやさしくつなぐプラットフォームを育ててきた。都心型の「手紙処 浜町」は、その実践を日常の動線上に置くことで、内省と記述の時間をより身近な選択肢へと位置づけている。
今後は、手紙文化の継承に加え、グリーフケアやウェルビーイングの観点からもプログラムを拡充し、都市生活の中で心を整える行為としての「手紙」を広く提案していくという。手紙寺は宗教法人 證大寺(東京都江戸川区)を母体とし、地域や世代を越えて、静かに言葉を紡ぐ文化の再興を目指す。

【手紙処 浜町 店舗情報】
名称:手紙処(てがみどころ)浜町
所在地:東京都中央区日本橋浜町2丁目30番-6 花の東京ビル3階(都営新宿線「浜町駅」徒歩1分)
営業時間:11:00~19:00(定休日あり)
利用方法:入場料制・予約不要
開設日:2025年秋予定
最新情報は手紙寺公式note「喫茶手紙寺分室」および公式サイトで順次公開される予定。手紙と向き合う穏やかな時間が、都市の暮らしに新たな呼吸をもたらしてくれるだろう。
