食品に触れる木製品のメンテナンスにおいては、衛生面で安心、信頼できるオイルが求められる。アメリカ生まれの「WALRUS OIL®(ウォルラスオイル)」は自然成分で作られ、食品接触面について安全と認められたオイルだ。どのようにしてこのオイルが誕生し、多くの木工愛好者に支持されるに至ったのか。その背景を探る。

蜜蝋やココナッツオイル、ピュアミネラルオイル、ビタミンEなど自然由来の成分を使った「ウォルラスオイル」

ウォルラスオイルの創業者、デイブ・ダールは、幼少期から健康上の問題を抱え、長年にわたり苦しんでいた。2009年、大学卒業後、彼は新しい人生を求めてミシガン州グランドラピッズに移住した。豊かな自然に囲まれた環境は、彼にとって新たなインスピレーションの源となり、アンティーク家具の再生という趣味を見つけた。家具の修復に取り組む中で、デイブは木材を自然な成分で仕上げるオイルの必要性を痛感し、その研究に没頭した。
数年後、オザークに移住したデイブは、地元の木材を使用した商業用ウッドショップを立ち上げた。ここで彼は、レストランにテーブルやまな板を供給するようになり、天然木の仕上げの重要性を再認識する。そして、自然由来の成分を使ったオイルのレシピを開発し、それを「ウォルラスオイル」と名付けた。この名前は、彼の大きな口ひげがセイウチ(Walrus)に似ていることに由来している。
ウォルラスオイルが製品化された当初から、その反響は大きかった。特に、満足した顧客がSNSで積極的にシェアしたことで、短期間で需要が急増した。こうしてデイブはフルタイムでの生産に踏み切り、翌年には設備投資を行うまでに至った。さらに、ウォルラスオイルは世界最大の木工雑誌「Wood Magazine」に掲載され、米国最大の木工店チェーン「Rockler Woodworking」にも取り上げられた。これにより、ウォルラスオイルの名は北米全体の木工コミュニティで確固たる地位を築いた。
ウォルラスオイルの全製品は、成分が公開されており、FDA(Food and Drug Administration/アメリカ食品医薬品局)によって食品接触面において安全と認められている。カッティングボードやその他の木工製品、さらには赤ちゃんのおもちゃにまで安心して使用できることが保証されている。特に、ウォルラスオイルのカッティングボードオイルは、木材の表面に浸透して水を弾き、まな板を何世代にもわたって長持ちさせる。
また、このオイルは、蜜蝋やココナッツオイル、ピュアミネラルオイル、ビタミンEなどの天然成分から作られており、無香料で半光沢の仕上がりを持つ。使用後のまな板は、シルクのように滑らかな手触りを持ち、豊かな色合いとわずかな光沢が加わる。
プロの木工職人も信頼するウォルラスオイルは、特にまな板の仕上げとメンテナンスに適している。木製品が長持ちするためには、適切なメンテナンスが欠かせない。ウォルラスオイルのカッティングボードオイルは、木材の乾燥やひび割れ、表面のカビを防ぐために開発された。成分の完璧な比率が、使用時に水や食品の粒子をはじきつつ、天然木の色調をしっかりと閉じ込める。施工性も高く、作業が簡単に行える点も評価されている。
また、ウォルラスオイルの製品は全て生分解性で、有害な添加物や促進剤を一切含んでおらず、環境にも優しい選択肢として、多くのユーザーに支持されている。


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