長野県松本市のリゾートホテル、休暇村乗鞍高原が9月1日より使用済み紙コップのリサイクルを開始。日本製紙株式会社と連携し、循環型社会の実現を目指す。

紙コップ表面のプラスチックと紙を分離し、再生紙繊維を取り出す技術を確立

これまで休暇村乗鞍高原では、ロビーや脱衣所で提供される冷水サービスに紙コップを使用していたが、その使い捨てが課題となっていた。紙コップは、紙にプラスチックが貼り合わされた複合素材で作られているため、通常のリサイクルが困難とされてきた。古紙再生促進センターの分類でも禁忌品に指定され、一般ごみとして焼却されていた。
日本製紙はこの課題を解決するために、長年培ってきたリサイクル技術を駆使し、紙コップの表面に貼り合わされたプラスチックと紙を分離し、再生紙繊維を取り出す技術を確立した。この技術により、休暇村乗鞍高原で使用された紙コップのリサイクルが実現可能となった。
リサイクルシステムの導入にあたり、両社は自治体との協議を重ね、紙コップの適切な分別・回収を実現。日本製紙グループの日本紙通商が構築した、小ロットでも収集可能なシステムを活用することで、紙コップのリサイクルが可能となった。
休暇村乗鞍高原と日本製紙は、紙コップのリサイクルをさらに進め、将来的にはエコバッグなどのアップサイクルに取り組むことも視野に入れている。資源の有効活用を進めることで、CO2排出量の削減にも寄与することを目指す。
休暇村乗鞍高原は、中部山岳国立公園内に位置するリゾートホテル。標高約1,600mに位置し、四季折々の自然を楽しめることから、年間を通じて多くの観光客が訪れる。今後も地域の自然環境と調和しながら、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていく。


ホームページはこちら