株式会社LIXILが開発した「PVロールスクリーンシステム」が、令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰の緩和分野で大賞を受賞した。同システムは、既築ビルの窓に室内側から後付け可能な太陽光発電設備で、脱炭素社会の実現を目指す画期的な技術として注目されている。

脱炭素と省エネの両立を可能にする新技術

気候変動対策が急務となる中、LIXILが開発した「PVロールスクリーンシステム」は、既存建築物への導入が容易な室内設置型太陽光発電設備として注目を集めている。同製品は、従来のロールスクリーン機能に加え、発電・蓄電機能を備え、窓周りの断熱性向上や省エネ効果を兼ね備えていることが評価され、令和6年度の環境大臣表彰で大賞を受賞した。
このシステムは、2022年と2023年にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて開発された。窓からのコールドドラフトを抑制しつつ、発電機能を通じてエネルギー効率を高める設計となっている。加えて、USB-CポートやDCジャックを通じて直接電力を取り出せる点も特長だ。
LIXILによる試算では、日本国内の設置可能な窓面積(1.4億㎡)に本システムを導入した場合、建設業界の2030年CO2削減目標の約12%を達成できるという。さらに、設置やメンテナンスが室内から容易に行える点も普及を後押ししている。
本製品は、福岡県宗像市の公共施設で実証実験が行われており、既存ビルの省エネ対策と災害時のレジリエンス向上への有効性が確認されている。LIXILは、2050年のカーボンニュートラル達成に向け、同製品の普及を一層進めていく考えだ。
「PVロールスクリーンシステム」は、脱炭素社会の実現に向けた新たな選択肢として、窓から始める持続可能な未来を提案している。

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