株式会社Blueprint one(本社:東京都港区、代表取締役:鈴木大樹、以下ブループリントワン)は、自社ブランド「moment of MILK」から、国産の脱脂粉乳を繊維にアップサイクルしたアパレルの正式販売を開始した。北海道発の循環型素材を用いたTシャツを中心に展開し、2025年9月27日から開催される「2025さっぽろオータムフェスト」にも出店。一次産業の新たな価値創出と、生活者に寄り添うサステナブルな選択肢を全国へ届ける。

「食の余剰」を「装う資源」へ。脱脂粉乳課題に向き合うアップサイクル。
コロナ禍以降の需要変動やコスト高騰の影響を受け、国内の酪農は厳しい局面に直面してきた。生乳の生産抑制や酪農家の減少が進む一方、脱脂粉乳の在庫は一時的に対策により適正水準近くまで減少しているものの、支援が止まれば再び余剰化する懸念が残る。地域経済やコミュニティの持続にも関わるこの課題に対し、ブループリントワンは「食用以外の消費促進」という新たな解を提示した。食品副産物を素材化し、日常に長く伴走する衣料へと転換することで、国産資源の循環と一次産業の活力回復を同時に目指す。
「moment of MILK」が採用するのは、北海道産の脱脂粉乳から抽出したたんぱく質・カゼインを高濃度パルプ由来のレーヨンと混合した半合成繊維。素材構成は半合成繊維50%、綿50%、原産国は日本だ。カゼイン由来の繊維はシルクのような滑らかさと発色の良さを併せ持ち、レーヨン由来の吸放湿性と相まって、汗を素早く拡散しムレにくい着心地を実現。消臭抗菌性による低刺激性も備え、毎日袖を通したくなる肌当たりを追求した。石油・プラスチック由来の合成繊維に比べ環境負荷を抑えられる点も、循環型素材としての価値を高めている。
機能面では、撥水加工と速乾性を両立。小雨や飲み物の飛沫を弾き、日常のちょっとしたアクシデントでもシミになりにくい。乾きやすさと軽さは、洗濯頻度の高い夏場や旅先、アウトドアでも頼もしい。エシカルと機能性の両立を掲げ、快適性とケアのしやすさを両立させた。

製品ラインアップは、汎用性の高いショートスリーブのS/S CREW NECK T-SHIRTと、ルーズシルエットのL/S CREW NECK T-SHIRTをユニセックスで用意。キッズサイズも展開し、家族でのコーディネートにも対応する。価格は税込4,900円からと手に取りやすく、発色の良さを活かした多彩なバリエーションを揃えた。販売は公式ECのオンライン、ポップアップでのオフライン、アパレル関連企業への卸売の三本柱で展開し、日常のワードローブにサステナブルな選択肢を浸透させる。

滑らかな質感、汎用性の高いショートスリーブTシャツ

滑らかな質感、ルーズシルエットのロングスリーブTシャツ
初回の大きな発信の場となるのが、「2025さっぽろオータムフェスト」への出店だ。2025年9月27日から30日まで、大通公園・大通西11丁目のPRECIOUS TABLEエリアにて、限定アイテムを含むラインアップを販売。北海道が育んだ資源から生まれたウェアを、その地で生活者に直に届ける。今後のポップアップ出店情報はブランドサイトで順次公開される予定だ。
「この国の一次産業が輝く、新たな瞬間をつくりたい」。ブランド名に込められた“moment”は、資源が価値へと生まれ変わる一瞬を指す。過剰在庫になりがちな素材や、製造過程で生じる廃棄物をアップサイクルし、地産地消や地域振興、さらには輸出へと広がる“次のかたち”を描く。地域行政との連携、アパレル企業への糸・生地の卸、酪農関連企業や農協のユニフォーム・ノベルティ提案など、同社ではパートナーシップを通じて裾野を広げていく方針だ。
ブランドサイト:https://moment-of.com/
公式ECサイト:https://momentof.official.ec
株式会社Blueprint oneホームページ:https://bp-one.jp/
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