医療法人社団モルゲンロートが、医師の長時間労働問題に対応するための革新的な技術として、AIアバター問診の主要技術に関する特許を取得した。これにより、診察待ち時間の削減や顧客満足度の向上を目指す。

医療分野におけるデジタルトランスフォーメーションの重要な一歩

モルゲンロートは、医療現場における医師の労働負担軽減と患者体験の向上を目的に、AIアバター問診の技術開発を進めてきた。2024年7月10日、同社が開発した「診療の管理装置及び診療システム」に関する特許が正式に登録され、医療分野におけるデジタルトランスフォーメーションにおいて重要な一歩を踏み出した。この技術は、AIを活用して診察前に必要な問診情報を自動で収集し、医師の負担を軽減することが可能となる。
同社は、本技術を2024年5月に「柏みんなクリニック」で試験的に導入。10月には「有明こどもクリニック豊洲院」でも導入を予定しており、診察待ち時間の大幅な短縮が期待される。また、AIアバターとの対話を通じて、患者のプライバシー保護や感染予防にも寄与することが見込まれる。
近年、医師の長時間労働が社会問題として取り上げられている。特に高齢化社会の進展や医療ニーズの多様化により、医師の負担が増大している。2024年4月から施行された医師の働き方改革では、時間外労働の上限が960時間と規定され、多くの医療現場で対応が迫られている。しかし、現状では21.2%の医師がこの上限を超える長時間労働を行っているというデータもあり、持続可能な医療環境の整備が急務となっている。
このような状況下で、モルゲンロートが開発したAIアバター問診システムは、医師の負担軽減に大きく貢献することが期待されている。問診からカルテ作成までのプロセスを自動化することで、医師が診察前に患者情報をより迅速に把握できるようになり、診察時間の短縮と診療の質向上が実現する。
診察待ち時間が短縮されることで、患者のストレスが軽減され、満足度もアップする。AI技術を活用することで、診察の効率化が図られと同時に多言語対応も可能となり、外国人患者へのサービス向上にも繋がる。
モルゲンロートの小暮裕之理事長は、「今回の特許取得は、医療の効率化と患者満足度向上に向けた重要な一歩となる」とコメントしている。同社は今後も、医療とITの融合を推進し、持続可能な医療の実現に向けた取り組みを続ける。
モルゲンロートは、都内湾岸地域および千葉県柏に複数のクリニックを展開し、地域社会との連携を重視した医療サービスを提供している。AI技術を活用した診断や治療プロセスの向上に取り組む一方で、医療従事者の働きやすい環境作りにも注力している。今後も革新的な技術を導入し、医療の質と効率の両立を目指す姿勢を貫くとしている。


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