第19回高校化学グランドコンテストで、長野県飯山高等学校自然科学部MBR班の女子高生3人が「二酸化炭素吸収ボール」の研究で日本ゼオン・チャレンジ賞を受賞した。この研究は、ミドリムシを用いて地球温暖化対策に貢献する革新的なアイデアで、世界大会への挑戦も控えている。

「化学の甲子園」――高校生が描く未来の科学技術

高校化学グランドコンテストは、高校生と高等専門学校生が科学への情熱を持ち、創造力を育む場として2004年に始まった。今年で19回目を迎えたこの大会には、全国から90チーム以上、302名が参加し、ポスター発表や口頭発表を通じて科学的探究の成果を競い合った。
日本ゼオン株式会社が特別協賛する「日本ゼオン・チャレンジ賞」は、独創的な発想と挑戦する姿勢を評価する賞だ。今年は、長野県飯山高等学校自然科学部MBR班の研究「二酸化炭素吸収ボールMBRの開発」が選ばれた。この研究は、光合成を行うミドリムシをアルギン酸カルシウムのビーズに封入し、二酸化炭素吸収能力を高める技術を追求している。
受賞した女子高生たちの研究は、環境問題に直結するテーマに取り組むもので、研究成果は二酸化炭素の吸収効率や外部環境への影響など多岐にわたるデータを提供している。年明けには、この研究を携えて世界大会に挑戦する予定だ。
日本ゼオンの審査委員長・坂本圭氏は、「ミドリムシを生きたまま粒子に閉じ込める発想と、それを達成した実験の手法が素晴らしい」と評価。さらに、実験過程での細かな観察力や主体的な取り組み姿勢が、研究成功の鍵であったと述べた。
この大会を通じて、次世代の科学技術を担う若者たちの育成が進められている。日本ゼオンは、未来のイノベーションを支える基盤として、こうした活動を積極的に支援している。同社の特別協賛による「日本ゼオン・チャレンジ賞」は、科学的創造力と探究心を育むための重要な一歩だ。
受賞者たちの挑戦は、科学がどのように社会課題を解決し得るのか、その可能性を示している。今後のさらなる研究成果に期待が寄せられる。

大会の詳細と受賞結果は以下のリンクから確認できる。
高校化学グランドコンテスト:賞・結果発表
https://s-gracon.jp/2023/award_julylist/

日本ゼオンのホームページはこちら