QO株式会社が運営するSocial Issue Lab(SIL)は、2024年9月1日の防災の日に向けて、「防災格差」をテーマにした調査結果を発表。調査によれば、多くの日本人が防災の重要性を認識しつつも、その取り組みを後回しにしている現状が明らかになった。

防災の必要性は認識、しかし高いハードルが障壁に

QO株式会社(東京都中央区)が運営するSILは、全国の2,500人を対象に、防災への取り組み状況を調査した。この調査によると、回答者の35%が「ほとんど防災に取り組んでいない」層に分類された。「防災格差」は、個人の生活環境や経済状況により大きく影響されており、その差が社会全体に深刻な影響を与えていることが示された。
調査対象者を防災の取り組み度合いに基づいて3層に分類すると、最も取り組みが低い「SEED層」が全体の35%に上った。この層は、「未婚」「子どもなし」「ひとり暮らし」が多く、自分だけのために防災に取り組む動機付けが弱いことが分かった。これに対し、「FLOWER層」と呼ばれる最も防災意識が高い層は14.5%にとどまった。
調査では、防災の重要性を認識していると回答した人は8割以上に達した。その一方で防災に取り組む際のハードルを感じている人が多く、特に「金銭的な余裕がないこと」が最大の障壁となっていることが明らかになった。多くの人が防災を意識しながらも行動に移せないというジレンマを抱えているという実態がこの調査で浮き彫りになった。
調査では、防災チェックリストへの回答結果をもとに取り組み度を得点化し、点数が高い順に以下の3層に分類している。
■FLOWER層(取り組み度:高)
家族と共に防災に取り組んでいるケースが多く、幅広い知識を持っているが、完璧な準備ができていないことに不安を感じている。
■SPROUT層(取り組み度:中)
防災への関心はあるが、行動に移す際に金銭的余裕のなさや時間的制約など多方面の悩みを抱えている。
■SEED層(取り組み度:低)
防災に関する知識不足や取り組みの具体的イメージが湧かず、防災が他人事になりがち。

QO株式会社の調査結果は、防災への取り組みを後回しにする現代社会の問題を指摘している。防災の重要性が認識されているにもかかわらず、行動が伴わない背景には、経済的な問題や時間的な制約が大きく影響している。これらの課題に対しては個人の努力だけではなく、社会全体での取り組みが求められる。
SILは、今回の調査結果を踏まえ、防災意識を高めるための具体的な提案を示している。防災の日に向けて、個人だけでなく、企業や自治体も含めた総合的な防災対策の強化が期待される。


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