農業に特化したAI「AGRIST Ai」を開発したAGRIST株式会社は、Microsoftの支援を受けて、農業の収益向上を目指す新たな技術を導入。鹿児島県の自社農場にて実証実験が開始され、28.6%以上の収益増加が見込まれている。

AI技術で農業の収益性向上へ

AGRIST株式会社(宮崎県新富町)は、AIとロボット技術を活用したスマート農業を展開している。同社はこのほど、Microsoftの協力のもと、農作物の収量を予測するAI「AGRIST Ai」を開発。AIを使った農業生産性向上の新たな一歩として、鹿児島県東串良町の自社農場での導入が始まった。
日本の農業は、農業従事者の高齢化や後継者不足といった課題を抱えている。このような状況の中、AGRISTはテクノロジーの力で農業の効率を高め、持続可能な農業を目指している。AGRISTの提供するAIとロボット技術を駆使したスマート農業は、全国の自治体や企業との連携を通じて広がっており、農業のDX化を促進している。
AI「AGRIST Ai」は、Microsoftの「Copilot」を用いてAzureクラウド上で開発された。このAIは、農場から得られる大量のデータを解析し、収量予測を行う。これにより、反収あたり28.6%以上の収益増加が期待されている。
AGRISTの鹿児島県東串良町の自社農場は、30アールのピーマン栽培ハウスを有しており、AI技術と養液栽培を組み合わせたスマート農業が行われている。ココナッツのヤシがらを培地とする養液栽培は、ピーマンの収穫量を効率的に高める技術だ。AIの活用により、施肥量や灌水量を最適化し、ピーマンの収量予測が容易になることで、農場全体の収益性向上が期待されている。
また、今回の実証実験では、AGRISTが開発した自動収穫ロボットも導入され、収穫作業の自動化が進んでいる。AGRISTは、自動化されたデータ収集と解析により、農業従事者の負担を軽減しながら、効率的な栽培管理を実現することを目指している。
AGRISTは、今回の「AGRIST Ai」導入を皮切りに、農業のDX化をさらに加速させる計画だ。将来的には、「AGRIST Ai」を他の農家にも提供し、農業全体の生産性向上に貢献する方針を示している。また、AI技術をベースに、環境制御ツールや営農管理システムなどの追加機能を開発し、より多様な作物に対応することも視野に入れている。


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