★ここが重要!

★要点
廃漁網アップサイクルベンチャーのamuが、山口県防府市の離島・向島にオープンしたカフェ「Cafe Poppy」に、廃漁具由来のデザインタイル「amuca®タイル」を提供。人口減少が進む島で「関係人口」の創出を目指す交流拠点の内装に、海の物語を宿す素材を導入した。
★背景
全国の中山間地域や離島で人口減少が深刻化する中、地域外の人々と多様な形で関わりを持つ「関係人口」の創出が、地域活性化の鍵となっている。同時に、海洋プラスチックごみ問題への関心も高まっており、地域の課題(人口減少)と地球の課題(環境問題)を、創造的なアイデアで同時に解決するアプローチが求められている。

瀬戸内海に浮かぶ小さな島のカフェに、海の記憶を宿したタイルが設置された。廃漁網をアップサイクルして価値ある製品を生み出すamuが、山口県防府市・向島の新拠点「Cafe Poppy」に、廃漁具由来のデザインタイルを導入。これは、海の環境問題への取り組みと、人口減少に悩む島の未来を紡ぐ試みが、美しく交差した物語。一杯のコーヒーから始まる、新しい関係づくりの形だ。

「通り過ぎる場所」を変えたい——人口減少の島に灯った、新たな交流拠点

山口県防府市の離島・向島は、人口減少という静かな課題に直面してきた。市街化調整区域であるため新築住宅の建設に制約があり、移住や宿泊施設の整備も進みにくい。そんな「通り過ぎる場所」になりがちな現状を変えたいと願ったのが、カフェのオーナー夫妻だった。 長年、保護猫活動に携わってきた経験から、人と動物、そして地域がゆるやかにつながる「開かれた場」を作りたい。そうして生まれたのが、海辺の交流拠点「Cafe Poppy」だ。この想いに共鳴したのが、廃漁具をアップサイクルするamuだった。海の課題から生まれたタイルが、島の未来を照らす空間の象徴として選ばれた。

“焼かない”タイル「amuca®」——海の物語を壁に宿す

店内の壁を彩る「amuca®タイル」は、廃漁網やブイなどを原料とするデザインセメントタイル。一般的なタイルと違い、高温で焼き固める工程を伴わないため、製造時のCO2排出量を抑えられる。 さらに、amuはタイルと共に、その背景を伝える「トレーサビリティストーリー」も提供する。店内に掲示されたポスターのQRコードを読み取れば、回収された漁具がタイルになるまでの過程や、オーナー夫妻がこのタイルを選んだ想い、そして向島の美しい自然と、その裏側にある環境問題までを知ることができる。タイルが、客とオーナー、そして地域をつなぐコミュニケーションの触媒となる。

amuca®タイル
カフェ内に掲示されているポスター(※ポスターは2026年1月中に掲示開始予定)

一杯のコーヒーが、関係人口を育む

「Cafe Poppy」が目指すのは、ワークショップやマルシェを開催し、多様な人々が自然に交わる「開かれた場」だ。廃漁具から生まれたタイルの美しさをきっかけに、客は製品化の物語に触れ、島の環境問題に思いを馳せる。そして、オーナーとの対話が生まれ、カフェや島への愛着が育っていく。 こうした体験の積み重ねこそが、地域外の人々を惹きつけ、関わり続ける「関係人口」を育むための、小さくても確かな一歩。amuのアップサイクルタイルは、そのための「語り部」として、静かに壁に佇んでいる。

右がカフェオーナーの中野ななさん、左が夫の康晴さん

公式Instagram:https://www.instagram.com/poppy_cafe_0123/
ホームページ:https://amuca.world/

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