大和ライフネクスト株式会社は、旅人が集う“大きな家”をコンセプトにした新ホステルブランド「GRAND HOSTEL LDK」の第一弾として、「GRAND HOSTEL LDK 東京西葛西」を2025年5月28日に開業した。かつてのスポーツクラブを一棟丸ごとリノベーションし、白砂とプロジェクションマッピングが彩る“ビーチラウンジ”を備えた異色の都市型ホステルの中身を紹介する。

スポーツクラブをリゾート空間へ、都市の“余白”に生まれる新たな交流拠点。

東京メトロ・西葛西駅から徒歩4分。都心とベイエリアを繋ぐアクセス至便のこの地に、都市型の大型ホステル「GRAND HOSTEL LDK 東京西葛西」が誕生した。ここはかつてスポーツクラブとして利用されていた、鉄筋コンクリート造5階建の建物だ。その構造を活かしながら、開放的な吹き抜け空間と大規模な共用スペースを備えた“旅人の家”へと生まれ変わった。
最大の特徴は、旧プールエリアを大胆に再構成した「ビーチラウンジ」だ。床一面に敷かれた白砂の上にビーチチェアが並び、夕刻以降にはプロジェクションマッピングが空間を照らす。単なる宿泊施設に留まらない、体験型滞在の演出が楽しめる。
「GRAND HOSTEL LDK」シリーズのブランドコンセプトは、「Traveler’s place, your home. 旅人の居場所、あなたの家。」。ゲスト同士がラウンジやシェアキッチンで自然な雰囲気で語らい、文化や価値観を交差させる。いわば“泊まる”から“集う”へと機能を拡張したホステルだ。

ドミトリーからファミリー利用まで、多様性に応える客室設計。

「GRAND HOSTEL LDK 東京西葛西」は、総ベッド数289を誇る大型施設である。客室構成は多彩で、ドミトリー(154ベッド・9室)に加え、グループ個室(3~6名・9室)、そしてホテル個室(2~8名・22室)を完備。中には布団スタイルの和室や、アイランドキッチン付きの8名向けコンドミニアムタイプもあり、シングルからファミリー、長期滞在者まで幅広いニーズに応える。
また、女性専用のドミトリーやプライバシーを確保できるシングルドミトリーも用意されており、安全性や快適性に対する配慮が随所に見られる。各室はカードキーによる入退室管理を備え、セキュリティ面でも安心できる仕様となっている。
加えて、チェックイン手続きには多言語対応のオンラインシステムを導入。事前登録を行ったゲストは現地で非接触型のチェックイン機を通じてスムーズに入室できる仕組みだ。

社会的包摂とエシカルデザインを融合させた、“交流”を設計するホステル。

共用スペースは「ビーチラウンジ」に加え、「デッキサイドラウンジ」「シェアキッチン」が24時間開放されており、単なる休憩空間ではなく、滞在者同士の交流や創発の場として設計されている。調理器具や冷蔵庫が揃ったキッチンは、ホームパーティーの舞台としても機能し、国籍や世代を超えた新たな関係性を紡ぐ仕掛けが施されている。
また、祈祷スペースやバリアフリートイレ、ジェンダーレストイレといった多様性への配慮も見逃せない。単なる機能の提供ではなく、「あらゆる背景の旅人を受け入れる場所」としての思想が設計に宿っている。
環境面でも、自然素材を基調としたナチュラルベーシックなインテリアや、再生可能エネルギーの導入など、“エシカルホステル”としての方向性を明示。空間の美しさと社会性を両立させた施設となっている。

都心の中にある“余白”の再解釈。LDKが目指すホステルの新しい価値とは。

「GRAND HOSTEL LDK 東京西葛西」は、都心部にある既存建築のリユースという文脈の中で、ホステルの新しい在り方を提示する。大量の人が行き交う都市のなかで、誰かの“居場所”となる空間を生み出すという取り組みだ。
大和ライフネクストは、今回の西葛西を皮切りに、大阪(新世界)、広島、名古屋と展開を予定しており、ホステルを通じた地域・都市の再編集を志向している。その背景には、建物の性能や規模だけでなく、“人の営みを受け止める空間”をいかにして創出するかという問いがある。
従来型のビジネスホテルや観光宿泊とは一線を画し、“他者と出会い、つながり、自分の旅を深める場所”としてのホステル。西葛西に誕生するこの施設は、今後の都市型ホステルの在り方に新たな基準を示す存在となるかもしれない。

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