東急不動産は、製造業の国内回帰やサプライチェーン強靭化という社会的な要請に応えるため、全国規模での「産業まちづくり事業」に本格参入する。そのために新事業ブランド「GREEN CROSS PARK」を立ち上げ、同社が持つ再生可能エネルギー供給のノウハウなどを活かし、環境(GX)とデジタル(DX)が融合した次世代の産業基盤を構築。地域経済の活性化と日本産業の競争力強化を目指す。

なぜ今「産業まちづくり」なのか? 国内回帰の潮流に対応。
近年、円安の進行や地政学リスクの高まりを受け、多くの日本企業が生産拠点を海外から国内へ移す動きを加速させている。事業の安定性と供給網の強靭化が、企業の持続可能性を左右する重要な経営課題だからだ。東急不動産は、この大きな潮流を捉え、物流施設やデータセンター開発で培ったノウハウを活かし、新たな産業インフラを提供する。これは、単なる工業団地の開発に留まらず、産業を起点に地域全体の活性化を図る、新しいまちづくりの挑戦となる。
再エネ100%を目指す、新ブランド「GREEN CROSS PARK」。
事業の中核となるブランド「GREEN CROSS PARK」は、GX(グリーントランスフォーメーション)とDX(デジタルトランスフォーメーション)を軸に据える。東急不動産グループは、業界トップクラスの再生可能エネルギー発電能力を持ち、開発する産業拠点へ再エネ100%電力を供給することを目指す。さらに、自動運転モビリティに対応した拠点ネットワークの構築や、雇用確保など多様化する企業ニーズにも応える。そしてこれらの対応を行いながら、環境(GREEN)と多様な交流(CROSS)が交差する未来志向の産業拠点を創出し、地域と共に持続可能な未来を築くことが狙いだ。
佐賀・岩手で始動、地域と共創する具体的なプロジェクト。
この構想はすでに具体的なプロジェクトとして動き出している。佐賀県鳥栖市では、九州大学とも連携する産学官連携事業として、交通の結節点という立地を活かした次世代産業団地「サザン鳥栖クロスパーク」を整備。岩手県金ケ崎町では、大手自動車メーカーや半導体企業が集積する工業団地をさらに拡張し、日本の中核産業拠点を形成する。これらの事業を通じて、地域ごとの課題解決と産業振興に貢献していく。
