★ここが重要!

★要点
環境省は10月5日、1973年から続く「自然環境保全基礎調査」の50年分のデータを総合的に解析した報告書を公表した。
里地里山では、水田や畑、マツ林、ススキ草地が減る一方、竹林が増えていた。2024年7月時点で特定外来生物に指定されていた動物143種類を対象に整理すると、全国で確認された種類数は、1990年以前の19から2022年には41に増え、分布も各地へ広がった。草原と湿地では、生息地のつながりを示す指標が低下した。かつて広く分布していたのに、多くの都道府県のレッドリストに掲載される「元普通種」61種の記録は、大きな川や湖沼、湿地、水田のある平野部に多く集まっていた。これは1990年代以降の分布記録であり、現在の生息地だけを示す地図ではない。
同じ日、文献や専門家の情報に環境DNA調査を組み合わせた、全国の淡水魚類の分布調査結果も公表された。南方系の汽水・回遊性のハゼの仲間などで、分布が北へ広がる傾向が示された。
10月19日からは、アルメニアで生物多様性条約の第17回締約国会議(COP17)が開かれる。その直前に、日本の自然の「通信簿」が出そろった。

★背景
2022年の「昆明・モントリオール生物多様性枠組」は、2030年までに自然の損失を止め、回復へ向かわせることを世界の目標に掲げた。COP17は、その進み具合を各国で確かめ合う重要な会議になる。
日本でも、「自然共生サイト」の認定数は2026年6月末時点で610か所に増えた。2030年までに陸と海のそれぞれ30%以上を保全する「30by30」の中間評価も、2026年度に予定されている。ただし、自然共生サイトには、すでに生物多様性の保全が図られている場所に加え、自然を回復・創出する活動計画が認定された場所も含まれる。認定数を、回復が完了した場所の数と同一視はできない。
一方、9月の「2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)」総会では、生態系の健全性は「回復に向かっているとは言えず」との認識も示された。
守る場所の数は増えている。では、自然そのものはどう変わっているのか。それを確かめる手がかりが、長年の観察の記録である。

かつては、田んぼや川で身近だった生き物がいる。
たとえばメダカの仲間やタガメ。そうした身近な生き物のなかにも、いまでは絶滅が心配されるものがある。
環境省の調査では、かつては広く分布していたのに、いまは多くの都道府県のレッドリストで絶滅危惧種や絶滅種とされている動物を「元普通種」と呼んでいる。
その元普通種は、どんな場所で記録されてきたのか。
記録が多く集まっていたのは、大きな川や湖沼、湿地、水田が広がる平野部だった。人の暮らしに近い水辺に、保全上重要な場所が重なっている。ただし、この分布図は1990年代以降の確認記録をまとめたもの。記録がある場所に今も残っていることや、記録がない場所にいないことまで、そのまま示すわけではない。
1973年から50年にわたって続けられてきた国の自然調査。その膨大な記録を総合的に読み解いた報告書が、10月5日に公表された。
COP17の開幕を前に、日本の自然の通信簿を開いてみる。

50年分の記録が描いた、里山の変化

自然環境保全基礎調査は、自然環境保全法に基づき、国が1973年から続けてきた全国規模の自然の調査だ。植生、動物の分布、川や海岸の様子などを、全国の研究者や専門家の協力で記録してきた。
「緑の国勢調査」とも呼ばれるこの調査が50年を迎えたのを機に、環境省は2023年度から2025年度にかけて、蓄積したデータを総合的に解析した。その報告書が、2026年10月5日に公表された。50年分といっても、すべての生物や場所を毎年同じ方法で測った一つの調査ではない。植生図や動物の分布記録など、対象・時期・方法の異なる調査を読み合わせた成果だ。
まず見えてきたのは、里地里山の姿の変化だ。
1979年から1998年までの調査と、1999年から2023年までの調査を比べると、水田や畑といった耕作地、マツ林、ススキの草地が減っていた。一方で、竹林は増えていた。
竹林の広がりには、竹の利用や管理の減少などが関わると考えられる。かつて竹はタケノコや建材、日用品の材料として切られ、使われてきた。管理が行き届かない竹林が周囲へ拡大すると、ほかの植生に影響することがある。ただし、植生の増減には複数の要因があり、今回の地図比較だけで原因を一つに決めることはできない。
草原と湿地では、生き物のすみかのつながり、つまり「連続性」が減っていた。
草原や湿地が小さく分断されると、生き物が移動しにくくなり、地域の個体群が孤立するおそれがある。ただし、移動できる距離や必要な環境は種ごとに異なる。今回の解析も、想定する移動距離などの条件を変えて連続性を評価したものだ。
一方で報告書は、水田などの耕作地を湿地・草原の代替生息地として扱う条件では、つながりの維持に寄与する可能性を示している。すべての水田が、すべての生き物に同じように役立つと実証したわけではない。
人が手を入れてきた里山の自然は、人の手が離れると、別の姿に変わっていく。

草原全体に占める「連続している草原」の割合の変化。生物の移動距離などを仮定して算定した指標であり、特定の種の移動を直接観測した図ではない。(出典:環境省 自然環境保全基礎調査 総合解析)

外来種は30年で全国へ。元普通種は平野に

外来種の広がりも、はっきりと数字に表れた。
総合解析では、2024年7月時点で特定外来生物に指定されていた動物143種類を対象に記録を整理した。そのうち全国で確認された種類数は、1990年以前の19から2022年には41へ増えた。41は、日本の外来種全体や特定外来生物の指定総数ではない。報告書は対象動物の分布が過去30年間で全国に急速に広がったとし、特に関東地方で確認種類数が多いと指摘している。
アライグマは、その代表だ。かつてはペットとして輸入されたものが野外に放たれ、いまでは各地で農作物の被害や在来の生き物への影響が問題になっている。
そして、元普通種。報告書は、2023年11月時点で収集した都道府県のレッドリストなどをもとに選んだ61種について、約10km四方の区画ごとに1990年代以降の分布記録を整理した。確認種数が多かったのは、大規模な川や湖沼、湿地、水田がある平野部だ。現在の生息数を数えた調査ではなく、保全上注目すべき地域を考えるための累積記録である。
平野部の水辺は、居住地や農地などと近接している。川の改修、湿地の消失、水田の管理方法の変化など、生息環境を変える要因も重なりやすい。かつての「普通」を守るには、保護区の中だけでなく、暮らしの近くの環境にも目を向ける必要がある。
ほかにも、ミソサザイやカワラヒワ、ヒヨドリといった鳥の越冬地や、南方系のチョウ、ナガサキアゲハの分布が北へ広がっていることも確認された。
シカやイノシシ、クマは1970年代以降に分布を広げ、なかでもシカは全国で大きく広がっている。
増える生き物と、減る生き物。50年の記録は、その両方を映している。

元普通種61種の、1990年代以降の累積確認種数の分布。大規模な河川や湖沼、湿地、水田がある平野部に記録が多い。現在の生息地や個体数を直接示す図ではない。(出典:環境省 自然環境保全基礎調査 総合解析)
解析対象とした特定外来生物(動物143種類)のうち、確認された種類数の累積(地方別)。全国の外来種総数ではない。(出典:環境省 自然環境保全基礎調査 総合解析)
アライグマの確認地点の変化。(出典:環境省 自然環境保全基礎調査 総合解析)

川の水が教える、魚の北上と国内外来種

同じ10月5日、環境省は淡水魚の全国分布調査の結果も公表した。
2022年度から2025年度の4年間、2000年以降の文献や調査、専門家からの情報を集め、情報が少ない地域では、川の水に含まれる魚のDNA、環境DNAを使って調べた。
対象は、田んぼや水路など人の暮らしに近い環境にすむ魚や、希少な魚、特定外来生物など、計115種。そのうち113種の分布情報が得られた。
注目されたのが、魚たちの「北上」だ。
汽水にすむヒナハゼ、海と川を行き来するボウズハゼやカワアナゴといったハゼの仲間で、すむ場所が北へ広がる傾向が見られた。近年の気候変動による海水温の上昇が影響している可能性が指摘されている。
もう一つの発見は、「国内外来種」の広がりだ。
ゼゼラは、人の手によって本来の分布域の外へ持ち込まれることがある魚だ。今回の調査では、14県で分布情報が新たに加わった。報告では、琵琶湖由来とみられる集団と、九州北西部の同じ種の集団との交雑も記されている。ただし「情報が新たに得られた」ことと、「その14県すべてに最近侵入し、定着した」ことは同じではない。国内の魚でも本来の分布域外へ持ち込めば、地域の生態系への影響を考える必要がある。
国外由来の外来魚、コウライオヤニラミの報告もある。2023年と2024年の環境DNA調査で、群馬県の利根川水系・鮎川から、この魚のDNAが低濃度で検出された。2024年10月29日には潜水調査で1匹が発見・捕獲され、本州の河川で初めて生息が確認された。DNAによる兆候を、個体の確認へつないだ例である。ただし、1匹の捕獲だけで、その場所での繁殖・定着まで証明されたわけではない。
川の水を分析することで、魚の存在を推定する手がかりが得られる。ただし、DNAは水の流れで運ばれ、検出されない場合もある。環境DNAは、文献や現地調査と組み合わせて使うことで、目で見つける前の変化の兆しを捉える助けになる。

分布の北上傾向が見られたヒナハゼ。(出典:環境省)
ヒナハゼの分布が確認された地点の緯度を、年代ごとに比べた図。(出典:環境省)
ゼゼラの生息分布情報(都道府県単位)。新たな分布記録の追加と、最近の侵入・定着の確認は区別する必要がある。(出典:環境省)
利根川水系鮎川で捕獲されたコウライオヤニラミ(2024年10月29日撮影)。(出典:環境省)

外来種は、侵入先で「進化」する

外来種は、ただ広がるだけではない。侵入した先で、性質を変えていくこともある。
北海道大学と福井県立大学の研究者が参加する、ドイツ統合生物多様性研究センターなどの国際共同研究チームは、北米原産の外来植物ヒメムカシヨモギを調べた。日本では道ばたや空き地でよく見かける草だ。
ヒメムカシヨモギは、東アジアには160〜180年前、ヨーロッパには380年前に入ったとされる。研究チームは、原産地の100集団と、侵入先の165集団、計265集団の植物を、同じ温室で育てて比べた。
すると、侵入先の4つの遺伝的なグループのうち2つで、ほかの植物に対する競争力が高まる進化が、それぞれ独立に起きたことを支持する結果が得られた。原産地集団に対する相対的な優位性は、通常の水分条件だけでなく、給水量を4分の1にした条件でも見られた。乾燥しても成長量などがまったく変わらなかったという意味ではない。
単一の集団だけの結果ではなく、異なる侵入集団で競争力の向上が繰り返し見られた。
成果は9月17日に科学誌『Nature Communications』に掲載され、北海道大学は10月5日に発表した。なお、これは一つの植物種を対象にした比較実験であり、日本にいるすべての外来種が一様に強くなると示したものではない。
外来種の対策は、今いる場所で数を減らすことだけではない。新しい土地で、より手ごわく変わっていく可能性も考えに入れる必要がある。

メスだけで増えるザリガニと、それに乗る小さな生き物

沖縄からは、少し不思議な外来種の報告が届いた。
「ミステリークレイフィッシュ」は、メスだけで子を産んで増えることができる外来のザリガニだ。1匹でも野外に放たれれば、そこから増えていくおそれがある。
岡山大学大学院の中田和義教授らの研究グループは、沖縄県で、このザリガニを3地点で確認した。すでに知られていた那覇市の天久ちゅらまち公園に加え、那覇市内の小学校に隣接する水路のようなビオトープと、浦添市内の水域だ。
ビオトープでは、稚ザリガニを抱えた個体が見つかった。沖縄県では、従来の既知の生息地である公園に加えて、新たな場所でも野外繁殖が確認された。
さらに研究グループは、このザリガニの体表に外来の貝形虫(かいけいちゅう)「Ankylocythere sinuosa」が共生し、繁殖していることを確認した。世界初なのは、このザリガニを宿主とする共生の確認であり、貝形虫自体の発見ではない。日本にすでに定着しているアメリカザリガニから宿主を移した可能性が指摘されている。
外来種が増えると、その体を利用する別の生物にも、新しい宿主や移動の足がかりが生まれうる。今回の結果は、ザリガニと貝形虫が最初から一緒に国外から持ち込まれたと証明したものではない。
岡山大学は7月に研究成果を発表し、9月22日にはPR TIMESでも配信した。
ビオトープは、子どもたちが自然に親しむための場所だ。そこが外来種の繁殖の場になっていたことは、生き物を「放さない」ことの大切さを、あらためて教えている。

沖縄県内のミステリークレイフィッシュの確認地点。A:天久ちゅらまち公園(既知の生息地)、B:那覇市内の水路状ビオトープ(新確認地点)、C:浦添市内の水域(新確認地点)。(提供:岡山大学)

個体数だけでは見えない変化——クマ、ロードキル、スズキ

10月5日には、日本の野生動物の「中身」の変化を示す研究も相次いで発表された。

・ある地域のクマをモデルで推定すると——大量捕獲と年齢構成
東京農工大学、国立環境研究所などの研究グループは、越後・三国個体群のうち長野、群馬、栃木の3県を対象範囲として、2001年から2017年に捕獲されたツキノワグマのメス計1,478頭のデータを解析した。大量出没の年には、すべての年齢層で捕獲される確率が平常の年の約2〜4倍になっていたと推定された。全国のクマの個体数を調べた研究ではない。
対象地域のメスの個体数は、モデル上では大きく変動していなかったと推定された。一方、将来の年齢構成を二つの条件で比較すると、7歳以上のメスの割合は、大量捕獲がない場合に23.8%、定期的な大量捕獲が続く場合に12.5%となった。これは実際に観測された割合の低下ではなく、条件を置いた将来推定である。個体数だけでなく、個体群の年齢構成も保全・管理の判断材料になる。
・道路で命を落とす動物の記録
森林総合研究所、東京大学、筑波大学などは、茨城県つくば市の11年分の動物の交通事故死(ロードキル)の記録をデータベースにまとめた。有効な記録1万1,464件のうち、最も多かったのはイエネコの4,348件。次いでタヌキ2,856件、ハクビシン1,444件、アライグマ592件だった。イエネコのすべてに飼い主がいたと確認したデータではない。アライグマは直近10年で事故の件数と確認範囲が急に増えており、分布拡大を示す手がかりとなった。ただし、記録には発見・通報・回収のされやすさも影響するため、野外の個体数やすべての交通事故死を直接表すものではない。
・成魚の河川利用には、雌雄差がある
京都大学、東京大学、東北大学などの研究グループは、日本各地のスズキ1,847匹を調べ、そのうち206匹では、内耳にある硬い構造物「耳石」の成分から、生息した環境の塩分の変化を推定した。河川を利用していたと判断された成魚の9割以上はメスだった。一方、未成魚の時期には、オスもメスも約半数が川を利用していた。メスが成熟後も繁殖に向けた採餌の場として川を使う可能性が示され、成長段階や雌雄による違いを踏まえて川と海のつながりを守る重要性がうかがえる。

道路の記録も、捕獲の記録も、魚の耳石も。地道に集めたデータは、生き物の世界の見えにくい違いや変化を浮かび上がらせる。何を直接観察し、何をモデルから推定したのかを分けて読むことが大切だ。

大量捕獲がない場合と、定期的な大量捕獲が続く場合の、ツキノワグマのメスの将来の年齢構成を比較したモデル推定。実測された全国の年齢構成ではない。(出典:国立環境研究所)
つくば市のロードキル記録をまとめた研究の主要な結果の概要。(出典:森林総合研究所)
スズキの年齢別・雌雄別の河川利用率。(出典:京都大学)

通信簿を手に、COP17へ

10月19日から30日まで、アルメニアの首都エレバンで、生物多様性条約の第17回締約国会議(COP17)が開かれる。2030年に向けた世界目標の進み具合を確かめ合う、節目の会議だ。
日本からは、生き物の写真を投稿して集めるアプリを運営するバイオームも、ブース出展やサイドイベント登壇を予定している。同社の9月30日の発表では、アプリの累計ダウンロード数は130万、生物データは1,200万件を超えたという。市民が集めるデータも、国の調査を補う大切な記録になりうる。ただし、観察されやすい場所や時期、種の判定精度などを踏まえた利用が必要だ。
9月のJ-GBF総会では、自然共生サイトの認定が2026年6月末時点で610か所となったことや、30by30の中間評価を2026年度に行うことが報告された。保全・回復などに取り組む場所は増えている。その先の生態系の状態を確かめることが重要になる。
一方で、今回の通信簿は、別の現実も示した。
総合解析では、元普通種の記録が平野の水辺に集まり、特定外来生物の分布が広がり、草原や湿地のつながりが低下していることが示された。淡水魚の調査には北上を示す記録もある。さらに別の研究では、外来植物の競争力の進化や、大量捕獲によってクマの個体群の年齢構成が変わる可能性が示された。対象地域、時期、調べ方の異なる結果を、一つの原因や一つの傾向にまとめすぎないことも大切だ。
守る場所の数を増やすことと、自然そのものが回復することは、同じではない。
その違いを確かめる重要な手がかりが、国の長期調査、川の水のDNA、道路の記録、市民の写真といった観察の積み重ねだ。新しく記録が得られたことと、新しく生息し始めたこと。個体数が変わらないことと、生態系が健全であること。その違いまで読んでこそ、通信簿は次の手入れにつながる。
通信簿は、つけ続けてこそ意味がある。日本の自然の次の通信簿が、少しでも良くなっているように。COP17は、その約束を世界と確かめ合う場になる。

参考:

自然環境保全基礎調査総合解析とりまとめ報告書の公表について(環境省)
https://www.env.go.jp/press/press_05632.html
総合解析の概要スライド(PDF)
https://www.biodic.go.jp/kiso/mp/Highlights_Comprehensive_analysis_report.pdf

自然環境保全基礎調査 淡水魚類分布調査について(環境省)
https://www.env.go.jp/press/press_05633.html

外来植物の急速な進化は独立して複数回生じ侵略性を高める(北海道大学)
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/261005_pr.pdf

雌のみで繁殖する外来ザリガニ「ミステリークレイフィッシュ」から外来共生貝形虫を世界初確認!(岡山大学)
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r8/press20260724-1.pdf
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004268.000072793.html

数は変わらず、中身が変わる —大量捕獲がツキノワグマの年齢構成に及ぼす影響—(国立環境研究所ほか)
https://www.nies.go.jp/pr/news-and-updates/2026/20261005.html

つくば市のロードキル記録のデータベース化(森林総合研究所ほか)
https://www.ffpri.go.jp/press/2026/20261005/index.html

成熟するとスズキ雌雄で採餌場が分かれる(京都大学ほか)
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-10-05

J-GBF第5回総会の開催結果について(環境省)
https://www.env.go.jp/press/press_05568.html
同総会 資料1-1(自然共生サイト「令和8年6月末時点」610か所の記載)
https://www.env.go.jp/content/000432085.pdf

バイオーム、生物多様性条約COP17に参加(バイオーム)
https://biome.co.jp/news/press_20260930/

生物多様性条約 第17回締約国会議(COP17)
https://www.cbd.int/meetings/COP-17

FAQ

Q. 自然環境保全基礎調査とは何ですか?
A. 自然環境保全法に基づき、国(環境省)が1973年から続けている全国規模の自然の調査である。植生や動物の分布、河川や海岸の状態などを記録しており、「緑の国勢調査」とも呼ばれる。開始から50年を機に、2023年度から2025年度にかけてデータの総合解析が行われた。

Q. 「元普通種」とは何ですか?
A. かつては広く分布していたが、現在は多くの都道府県のレッドリストで絶滅危惧種や絶滅種とされている動物を指す。今回の総合解析では61種について、1990年代以降の分布記録を整理した。記録は大きな河川や湖沼、湿地、水田のある平野部に多かったが、その場所で現在も生息していると一律に確認した地図ではない。

Q. 竹林が増えると、何が問題なのですか?
A. 竹林が周囲へ拡大すると、光の条件などを変え、もとの植生やそこにすむ生き物に影響することがある。竹の利用や管理の減少はその背景の一つと考えられる。ただし、影響は地域や管理状況によって異なり、竹林そのものを一律に悪い自然とみなすのではなく、保全目標に応じて管理を考える必要がある。

Q. 生息地の「連続性」とは何ですか?
A. 生息地が、生き物が行き来できる範囲でつながっている度合いを指す。分断によって移動しにくくなる場合があるが、移動できる距離や使える環境は種ごとに異なる。今回の解析は、移動距離などの条件を置いて連続性を評価し、草原や湿地でその指標の低下を示した。

Q. 国内外来種とは何ですか?
A. 国内に自然分布する生物でも、人の手によって本来の分布域外へ持ち込まれた場合、その地域では外来種となる。今回のゼゼラの調査では、既存資料との比較で14県の分布情報が追加された。ただし、新しい記録が得られたことは、その全県に最近侵入して定着したことを意味しない。

Q. 環境DNAで、なぜ魚の分布がわかるのですか?
A. 魚は粘液やふんなどを通じて水中にDNAを残す。その分析は、魚を捕まえずに分布を推定する手がかりとなる。ただし、DNAが水に運ばれることや検出できない場合も考慮する必要がある。今回の全国調査も、文献・専門家の情報と環境DNA調査を組み合わせており、すべての川を採水だけで調べたわけではない。

Q. ツキノワグマの「数は変わらず、中身が変わる」とはどういうことですか?
A. 越後・三国個体群のうち長野・群馬・栃木の3県を対象範囲とした捕獲データの研究で、対象地域のメスの個体数はモデル上、大きく変動していなかったと推定された。一方、将来の年齢構成を条件別に比較すると、7歳以上のメスの割合は、大量捕獲がない場合に23.8%、定期的な大量捕獲が続く場合に12.5%となった。二つの条件でのモデル推定であり、実際に全国でこの割合まで低下したことを示す数字ではない。

Q. COP17とは何ですか?
A. 生物多様性条約の第17回締約国会議のことで、2026年10月19日から30日まで、アルメニアのエレバンで開かれる。2022年に採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組の進み具合を、各国で確かめ合う場となる。

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